テストエンジニアは、プログラマーと違ってプログラミングスキルが不可欠ではありません。プログラミングスキルに自信がない方でもIT職を目指せる可能性があります。
ただ、テストエンジニアはきついという評判を耳にすると、目指してよいのかためらってしまうでしょう。そこで今回は、テストエンジニアがきついと言われる理由や、テストエンジニアが向いている人の特徴などを解説します。テストエンジニアの需要やキャリアアップにも触れているので、あわせて参考にしてみてください。
■□■□プログラマーなどITエンジニアを目指しているならIT業界専門転職サイト「Javaキャリ」が最適!完全無料の会員登録はこちらから■□■□
Contents
テストエンジニアがきついと言われる理由
早速、テストエンジニアがきついと言われる理由について解説します。
単純作業の繰り返し
テストエンジニアは、ソフトウェアを作るわけではなく、不具合を確かめるために単純作業の繰り返しを行う職種です。たとえば、エクセルにスクリーンショットを貼る仕事が挙げられます。単純作業が続くと、クリエイティブな仕事をしたい方にとってはきつい思いをする恐れがあります。
トラブルに出くわすことが多い
開発が遅れて納期がずらせないようなトラブルが発生すると、テストエンジニアにしわ寄せがきてしまうことがあります。最終的に炎上を回避するためにできる限りのことをする必要がありますが、防げないこともあるようです。
緊急のスケジュールがきつく残業が増える
緊急リリースなど、修正した不具合を突発的に確認してほしいとの依頼が発生することがあります。定時付近に依頼をされることも珍しくはありません。残業が発生しないイメージもあるようですが、プロジェクトによっては緊急なスケジュールが発生しやすくなる点はきついところです。
立場が低くなってしまう傾向にある
上流のソフト設計者は下流工程のことまで興味を持たないことがあり、テストエンジニアの立場が弱いと感じる方も少なくありません。製品の品質を守ることにやりがいを持っている方にとっては、きつい風潮だといえるでしょう。
裁量権がほとんどない
テストエンジニアはソフトウェア開発において裁量権がほとんどない場合があります。決められた仕事を指示通りにこなすことを求められるケースも少なくありません。実際に、設計にテストエンジニアは立ち入らないことを原則としている方も見受けられるくらいです。自分の判断で仕事をしたい人にとってはきつい職場もあるでしょう。
他の工程との関わりが薄い
テストエンジニアは他の工程に関わることが少ない傾向です。単純に言われたことだけをこなす姿勢だと、開発に必要な知識を学べない恐れがあります。受け身の方であれば、最終的に仕事に飽きてしまう恐れがあるほか、キャリアパスについても苦労しやすいといえるでしょう。
開発側と対立することがある
テストエンジニアがバグを発見した場合、開発者に報告しなければなりません。しかし、伝え方によっては開発者を怒らせることもあります。開発者のミスを見つける仕事だと考えると、対立が生じやすいのは無理もないことでしょう。人間関係のトラブルやコミュニケーションが苦手な方にもきつい仕事だといえます。
そもそもテストエンジニアとは
テストエンジニアとは、IT製品の動作が要件通りであることを検証するIT職です。プログラムにテストを実施したあと、開発者に結果をフィードバックして製品の品質を保ちます。
計画書をもとにテストだけをするテスターもありますが、テストエンジニアのほうが業務範囲は広く、テストの立案やマニュアル作成、実施、評価、改善提案なども実施します。
小規模システムだと開発担当のシステムエンジニアが兼務することもあるようです。
テストエンジニアが向いている人の特徴
続いて、テストエンジニアが向いている人の特徴について解説します。
間違い探しが好きで細かいことに気づきやすい
テストエンジニアは独特のカンを駆使して、たくさんのバグを発見する仕事です。間違い探しが好きな方はもちろん、細かいことに気づきやすい方に向いているでしょう。
妥協を許さず丁寧な作業ができる
テストエンジニアの仕事は製品のユーザビリティーに大きく関与します。責任感が高く、妥協せずに丁寧な作業ができる人が向いています。
マニュアルを守りルーティン作業が得意
テストエンジニア職に関して、マニュアル通りに確認することが求められる求人もあります。決められたルーティン作業を実施するのが得意な方に向いているでしょう。
テストエンジニアに必要なスキル
ここでは、テストエンジニアに必要なスキルを解説します。
テストの工程・技法に関する知識
すでにお伝えしたとおり、テストエンジニアは単にマニュアルに従うだけでなく、テストの計画から改善提案まで実施することがあります。したがって、テストの工程や技法に関する知識が求められるのが一般的です。
リスクとコストのマネジメントスキル
テストエンジニアは、限られたリソースでテストをしなければなりません。したがって、特に不具合が発生しやすいリスクを意識して、コストをかけないようにチェックをするスキルが求められます。
システムの機能・仕様を理解する力
テストエンジニアがテストケースを検討するには、システムについての理解が不可欠です。テスト対象の機能や仕様を理解するスキルも重要になります。コードを理解できるスキルまであれば、バグを発見したときに自分で修正できるのでさらに重宝されるででしょう。
品質管理への知識・理解
テストエンジニアは品質管理エンジニアと呼ばれることがあります。IT職の中でも特に品質管理に直結した仕事です。ソフトウェア品質を評価するための国際規格など、品質管理への知識や理解が求められます。
テストツールを扱うスキル
テストエンジニアの求人では、Autifyのようなソフトウェアテスト自動化ツールなどの利用が想定されている仕事があります。テストツールの利用経験があれば転職に活かせる可能性が高いです。
資料作成・プレゼンテーションスキル
テストエンジニアはテスト結果をまとめて顧客に提出する必要があります。仕事に慣れてきたら製品改善のコンサルティングを任されることもあります。したがって、資料作成やプレゼンテーションスキルも磨いておいたほうがよいでしょう。
需要が高まるテストエンジニア
近年各社で推進されているDXが加速すると、アジャイル開発による内製が主流になると言われています。
システムの構築を社内SEが行うようになる可能性が高く、それに伴いシステムの検証を行える人材が社内で必要になる可能性があります。したがって、テストエンジニアの需要が高まる可能性が高いでしょう。
当然、システム開発を経験したベテランのほうが、テストで品質を向上させやすいといえます。経験を積んだテストエンジニアであれば需要はさらに高まるでしょう。
テストエンジニアからのキャリアアップ
テストエンジニアの経験を元に、上流工程を担当する「SE」や「プロジェクトマネージャー」にキャリアアップすることもできます。
キャリアアップにおいては、システム開発の実践的なスキルを示せる「基本情報技術者試験」や、プロジェクトマネジメント業務を円滑に遂行できる能力を示せる「プロジェクトマネージャ試験」の資格取得などが役立つでしょう。
そのほか、システムの機能拡張に伴い品質維持のプランを提案する「品質保証コンサルタント」へのキャリアアップも検討できます。テストエンジニアはさまざまなキャリアの土台となる職種だといえるでしょう。
テストエンジニアの経験を生かした転職
テストエンジニアは、テストの立案やマニュアル作成、実施、評価、改善提案などを実施する職種でした。システムの品質に関わる重要な仕事であることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
ただ、テストという仕事がメインなので、どうしても単純作業になりやすかったり、ほかの開発プロセスに関与しづらかったりするなど、人によってはきつい思いをする恐れがあります。SEやプロジェクトマネージャーにキャリアアップすることもできます。しかし、キャリア設計が得意でないと努力の方向性を誤り、将来の道筋を描きにくいかもしれません。
テストエンジニアの経験をキャリアアップにつなげたいのであれば、必要に応じて転職の専門家を利用することも大切です。
たとえば、転職エージェントではキャリアアドバイザーが、経験や知識、スキルなどをヒアリングしたうえで、市場価値を見極めて最適なキャリアプランを提案してくれます。採用側の企業から報酬を受け取るビジネスモデルであるため、利用料金は基本的に無料です。
すでにテストエンジニアとしてキャリアの悩みを感じている方、異業種からテストエンジニアとしてキャリアをスタートさせたい方は、ひとまずIT専門の転職エージェントの利用を検討してみてください。