IT技術は進歩のペースが速く、新しい言語が生み出されシステム開発の現場でも新しいものを取り入れていくケースが多くあります。
その反面、ホスト系開発ではCOBOL、WEB系や業務系開発の現場ではJavaを利用する案件もまだまだ多いのも現状。
COBOLもJavaも「オワコン(終わったコンテンツ)」として取り上げるメディアもありますが、実際の案件数を見てみると、どちらも終わったとは言えない状況が続いています。
とはいえ、「もう終わりが見えているものを習得してもよいことなどない」と考え、悩むエンジニアも多くいる中、今後も生き残っていけるエンジニアとなるにはどうすべきか気になるところでしょう。こちらのページでは「Javaの将来性はあるのか」という観点に絞り、検証してまいります。
先に結論をお伝えすると、「Javaはこれからも変わらず需要があるであろう」と予測が立てられます。その理由を詳しく見ていきましょう。
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Javaの案件数は将来的にも継続してニーズがあるとする理由
Javaの案件は将来的にも継続してある、と予測する理由から解説しましょう。
Javaは処理速度が速くGoogleをはじめとするWEBシステムや、Androidアプリ開発の現場でも活用されています。現状でも新規案件の4割から5割がJavaという状況で、バージョン8以降・SpringBoot 環境下の案件などを中心に、多数の需要があります。
Javaはオブジェクト指向ですでに開発され始めて長く部品を組み合わせるように開発できるもので、無料ソースなども多く公開されていることもあり“効率的に”システム開発ができる環境が整っていることも理由の一つ。
仮想マシンのJVMで作動するプログラムを作るのがJavaであり、一度組み立ててしまえばOSや機種などに左右されることなく動作できる利便性の高さもポイントになっています。
もしJava開発案件が減少したらどうなるか
現状すでに多くの大規模システムでも活用されているJavaですが、これをすべて別の言語に置き換えることはとても困難で、現実的には不可能とも考えられるレベルです。今あるものがなくならない限り、改修・改善するためにもJava案件は継続して発生することは想像がつくのではないでしょうか。
システム開発の現場は、「一度完成させれば終り」ではなく、新しい機能を搭載し、改修してより良いものにするといったことを行うのが通例です。そのため、Java開発は今後もまだ多くの現場で必要とされるであろうことは簡単に予測できるという結論になります。
現に、なくなるといわれ続けているCOBOLの保守・開発もいまだになくなってはおらず、案件数自体は昔よりも減っていますが、一定数のニーズがある状況が保たれています。
ただCOBOLを例になぞらえると、将来的にJava案件数が目減りしてきたときには今よりも待遇面で下火になってしまう可能性もないとは言えません。
プログラミング初心者にこそ今Javaがおすすめの理由
Javaをこれから習得するメリットはあるか? と聞かれたら迷わず「ある」とお答えできます。
習得が難しいとされるJavaですが、自宅でも学習できる環境が整っていること、インターネット上にナレッジが蓄積されていること、オープンソースも多く習得しやすい環境があるということが理由として挙げられます。
習得難易度が高くなる理由として、広い分野で利用されるJavaはそれぞれの分野で学ぶべき開発技術が異なるということが言われていますが、これは「様々な分野で実務経験を積むことができる」というメリットにもつながります。
PMOやPMなど上流工程の仕事を得たい、またコンサルタントとして活躍したいと考えるのであれば、多様な業務の経験は大きな強みになります。
ある特定の分野で使われている言語をメインとしてしまうと、経験できる業種には限界があります。
他言語より単価が安いJavaを習得するメリットとは?
多数あるJava案件と新しく開発に用いられているScalaやPythonなどの開発案件を比べてみると、Java案件のほうが単価が安くなっているケースもあります。
これにはいくつか理由があり、単純に「Javaだから安い」というわけではありません。
まず、今Javaの開発に携わっているエンジニアは初心者からエキスパートまで幅広い人材がいる状況です。対して新しいScalaなどの開発は、未経験者ではなく実務経験の豊富なエンジニアに向けられた案件が多くなっています。(極端な話では、言語知識のある初心者ではなく言語未経験のベテランがアサインされます)
経験者のほうが単価が高いのがIT業界の常ですから、当然平均すれば単価の高い案件が多いのは新しい言語の開発案件ということになりますね。
ただし、今は新しいScalaやPythonなども、いずれJavaやCOBOLのように「古い言語」として扱われるようになるのは避けられません。新しい言語がどんどん生み出されるIT業界で、常に同じポジションをキープすることはかなわないということになります。
今は開発規模も小さく、単価の高い上級者をメインに受け入れている新しい言語の開発現場も、この先ずっと未経験者・初心者を受け入れずに進んでいくことはないでしょう。そうなれば、今の平均単価よりも下方修正されざるを得なくなります。
Javaと相互開発できる言語も習得することで活躍の幅は拡張する
どんな言語も「古い言語」として認識されることは避けて通れないことは上でお伝えしました。今後、新規開発の現場ではJavaがほかの言語に代用される可能性はありますが、保守案件などを中心としたJava案件が0になるという可能性は限りなく低いといえます。
ただし、案件数の減少も避けて通れないのが今後のJava開発。
そこで着眼したいのが、Javaと相互開発できるScalaやKotlinなど新しい他言語を合わせて習得するということです。受注可能な言語を増やすというだけでなく、Javaとの相互開発を行う大規模案件などで上流工程でも活躍できるスキルになります。
今後もJavaと相互開発できるオブジェクト指向言語は生み出されていくことが考えられますが、このような学びを得て自分を進化させることで、どんな時代でもニーズのあるエンジニアとして重宝される存在になるでしょう。
最先端ではなくても経験を積むために習得を
これからJavaを習得するか悩んでいる方、既にJavaを習得していて自分のエンジニアとしての将来性に悩んでいる方は少なくないと思います。
Javaはもちろん、他の開発言語についても、最先端をキープし続けることはできるものではありません。ただしJavaのように広い分野で既に用いられている言語が簡単に完全にすたれることはないでしょう。
むしろ今現在で広く用いられ、様々な業界での実務経験を積むこともできるJavaだからこそ、習得しておくことはエンジニアとしてメリットになります。
それと合わせてScalaやKotlinのような互換性のある新しい言語の習得も積極的にすることで、長くニーズのあるエンジニアとして活躍していくことが可能ということも忘れないでください。