以前はブラック企業の代名詞として見られていたIT企業ですが、皆さんはITエンジニアの仕事に対して過酷な職業だと思っていらっしゃいますか?
特に未経験からITエンジニアを目指すのは過酷で覚えなくてはいけないことも多すぎて無理なんじゃないのかと思っている人も多いと思います。
周囲に相談してもITエンジニアはやめとけ、つらい仕事だとか、ブラック企業が多いんでしょうというような意見をいわれ不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
では、今のIT企業は本当にブラック企業ばかりなのでしょうか?
ITエンジニアはやめとけといわれるほど、つらい仕事なのでしょうか?
未経験からITエンジニアになることは不可能なのでしょうか。
このような疑問に対して、現在のIT企業、ITエンジニアの働く環境について解説します。
IT企業で実際に働いているものとしては、ITエンジニアは常に世の中の先端にふれることが可能で年収アップも可能な魅力ある職業だと思っています。
なぜ、そのように感じているのかについても詳しく解説します。
実は、IT業界は未経験からITエンジニアを目指す人を求めていますし、応援しているんですが、その理由についても触れていきます。
Contents
ITエンジニアはやめとけと言われる理由とは
ITエンジニアはやめとけと周りから言われる理由とは一体どうしてなのでしょうか。
その理由と真実について解説します。
ブラック企業が多いイメージがあるから
実際、IT業界にブラック企業がないとは言い切れません。
未経験からIT業界に入ると、高い確率でブラック企業に就職するかもしれません。
しかし、未経験で入社する全ての企業がブラック企業ではありません。
働く人のプライベートを尊重するような仕組みや福利厚生を取り入れている企業も多くあります。
ここでいいたいのは、ブラック企業が存在するのはIT業界に限らない話です。
どこの業界でも残業が多くプライベートの時間が確保できない、給料が働きに対して見合っていないと感じるようなブラック企業は存在するはずです。
入社前にブラック企業かどうかを判断するためには、面接の時点でしっかりと企業のことを知ることができる質問を用意する、入社したいと考えている企業以外の企業も調査して比較してみることが必要です。
文系では活躍できなそうな業界だから
ITエンジニアは、理系出身が就職しているイメージが強く、文系出身の学生には敷居が高いイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
しかし、実際はITエンジニアに理系と文系は関係ありません。文系からでもITエンジニアは目指せます。
もちろん、プログラミングでは理系のような考え方が必要な場面が多くあります。だからといって文系出身では無理というわけではないのです。
システムエンジニアの場合、顧客とのやりとりやチームメンバーへの指示など、人とコミュニケーションを取らなければいけない場面が多数あります。
つまり、理系出身が得意とする数字に強い技術力だけではなく、文系出身が得意とするようなコミュニケーション力が必要です。
常に新しい技術を学び続ける必要があるから
IT業界は、常に新しい技術が登場するような、流行りの移り変わりが激しい業界です。
そのため、学生のうちに勉強していたように、未経験から入社した後も常に勉強が必要です。
しかしこれは前向きに表現すると、未経験でもベテランでも関わらず実力次第で市場価値の高いエンジニアを目指すことができます。
ベテランエンジニアでも、最新のフレームワークを扱うことができないエンジニアはどんどん業界から必要とされなくなる可能性があります。
ですが、未経験エンジニアでも常に業界のトレンドを抑えて、最新のスキルを身につけていけば業界から必要とされるエンジニアとして重宝されます。
自ら積極的に新しい技術を学び続ける姿勢がない人には、ストレスが多い業界かもしれません。
IT業界はやめたほうがいいのか
結局のところ、IT業界はやめたほうがいいのでしょうか。
結論は、企業によって働きやすさは異なるのでやめておいたほうがいいわけではありません。
IT業界はやめておけという意見は、実際にブラック企業に就職したことがあるひとの意見である可能性が高いでしょう。
実態として、夜遅くまで残業する必要があったり、休日出勤が当たり前であったりする企業は存在するでしょう。
しかし、IT業界に存在する企業全てがブラック企業ではありません。未経験から入社した場合でも、プライベートが尊重されるような働き方を推奨している企業もあります。
そのため、周囲から「IT業界はやめておけ」といわれて諦める必要はありません。
自分が理想とする企業と出会えるように、就職前に企業調査をしっかりとやることをおすすめします。
未経験からITエンジニアにチャレンジするのは無謀なのか?
未経験からITエンジニアにチャレンジするのは無謀ではありません。
理系・文系問わず、未経験でもITエンジニアとして企業に入ることはできます。その理由は、IT業界の人材不足問題が深刻にあるためです。
どのくらい人材が不足しているのかというと、2030年には79万人もの人材が不足するという予測(※)がされています。
そのため、IT業界に入ること自体はそこまで敷居が高くないと考えてもいいでしょう。
ですが、ITエンジニアとして活躍するために大事なのは、業界に入った後です。どれだけ市場価値の高いエンジニアになるかが、業界で生き残るポイントです。
市場価値の高いエンジニアとは、業界が必要とする技術を持っていることや、顧客とのやりとりをスムーズに進めることができるエンジニアのことを表します。
未経験で入社した後、市場価値の高いエンジニアになるために、積極的に物事に取り組める人はITエンジニアに向いていることでしょう。
※参考:IT人材の最新動向と将来設計に関する調査(経済産業省)2p
ITエンジニアに転職できたときのメリット
ITエンジニアに転職できたときのメリットについて解説します。
実力で勝負ができる
ITの業界は実力主義の世界です。文系、理系の出身や経験年数だけで給与が決まるような世界ではありません。
本人の努力の結果で評価されます。学生のうちに、「文系だから」という理由で評価されないことに抵抗を感じていた人は、IT業界で実力を試すことができるメリットがあるはずです。
手に職がつけられる
IT業界で得られるスキルは、会社に依存しないスキルです。
未経験からIT企業に就職して、プログラマーとして身につけたスキルは他の企業でも活かせるスキルとなります。
独立して自分の力で稼ぐという選択肢も広がります。
時間と場所に縛られない働き方ができる
IT業界は柔軟性が高い業界です。
リモートワークの導入が最も浸透している業界が、IT業界です。
働く時間や働く場所に縛られないで、家事や育児、介護などの両立をはかりたい人にとっては大きなメリットとなるでしょう。
将来性が高い
IT業界では、IT人材の需要が年々増加している世界です。
これは、将来性が高いと捉えることもできます。
IT自体の需要と技術の進歩が続く限り、IT人材の需要は高まっていく一方でしょう。
就職する際に、将来の先行きに重きをおいて就職先を探している人にとっては大きなメリットでしょう。
このような考えの人はITエンジニアはやめとけ
この後に解説するような考えの人はITエンジニアはやめておきましょう。
なんか格好いいからと思っている
ITで働いていると聞くと、かっこいいという反応を返されることも多いですが、実態としてはおしゃれで格好いい仕事ではありません。
IT業界では、泥臭い仕事もたくさんあります。仕事の中には、地道で単純な作業を延々と続ける場合もあるのです。
「なんか格好いいから」という理由だけで、ITエンジニアになろうと思うのはやめておきましょう。
簡単に稼げそう
IT業界に就職を考える人の中には、「給料が高いから」という理由の人も多くいるでしょう。
しかし、給料には幅があります。
それは、IT業界が実力で評価される世界だからです。
常に最新の技術を追い続けて勉強することができる人や、技術的スキルだけでなくコンサルティング力を磨いていけるような人は希少価値の高いエンジニアとして評価され、給料もそれに見合って高くなるでしょう。
対して、勉強を怠り、積極的に取り組むことができないような人は、有象無象の人材となり給料も高くなることはないでしょう。
パソコンを扱うことができれば人と関わらないで気楽に働けそう
プログラミングをするプログラマーであれば、一人でパソコンに向かって黙々と作業しているイメージがあり、気楽そうと思えるかもしれません。
しかし、全く人と関わらないで仕事をすることは不可能です。
基本的に、システム開発やWebデザインはチームで取り組むことがほとんどです。最低限、チームメンバーとのやりとりは発生します。
ITエンジニアに向いている人の特徴とは
では一体、ITエンジニアに向いている人とはどんな特徴の人なのでしょうか。
好奇心がある
IT業界は、常に新しい技術が登場する業界です。
新しい知識や技術を学ぶことが好きという人は、IT業界で楽しく働くことができるでしょう。
常に最新技術へのアンテナを張って、自ら学ぶ姿勢を取れるのはIT業界で働く上でメリットとなる特徴です。
コミュニケーションスキルが高い
チームで作業することが多いIT業界では、コミュニケーションスキルが高い人材が適しています。
特に、システムエンジニアを目指そうと考えているなら、顧客とのやりとりが必須のため、コミュニケーションスキルが求められます。
根気がある
システム開発では、企業の課題解決のために取り組むことが多いです。
また、思わぬトラブルやシステム障害の解決に向けて、コツコツと作業を続ける必要があります。
トラブルや障害の原因を突き止める力や、解決までやり遂げる根気が必要とされます。
主体性がある
上司から与えられた仕事をこなすだけでは、ITエンジニアは務まりません。
課題解決のために、不足しているスキルや知識を学び続け、自己研鑽できる主体性のある人材が求められます。
いまのIT業界、ITエンジニアの働く環境はどうなっているのか?
近年では、DX推進という経済社会のデジタル化が進んでいます。それに伴ってIT業界の市場規模も拡大し続けています。
5GやAIといった新しい技術が続々と登場しています。これらの先端技術を駆使したサービスの実用化が増加しており、IT業界の市場は今後も衰えることなく伸びていくでしょう。
ITエンジニアの働く環境は、2020年に流行が始まったコロナウイルスの影響で、リモートワークを導入する企業が増えています。
業界団体が中心となって、長時間労働を無くす取り組みとともに、ライフスタイルにあった柔軟な働き方の実現に取り組んでいます。
今後は、ITエンジニアがより働きやすいような環境が、業界全体で整えられていくことが予想されます。
2030年にはIT人材が最大79万人も不足すると言われている
経済産業省の「IT人材の最新動向と将来設計に関する調査」によると、2030年にはIT人材が79万人も不足するという予測が立てられています。
「中高生を対象としたプログラミング教育」や「2020年から実施されるプログラミングの義務教育化」など、IT業界の人材不足に対しての取り組みは見られますが、まだまだその効果が出ているとは言い切れない状況にあります。
このIT業界の人材不足問題は、今後も目を背くことができない課題となることでしょう。
IT人材不足はすでに影響が出ており、多くの中小IT企業は経験者の中途採用に苦戦しており、大半の企業は採用できない状況に陥っています。
そこで、中小IT企業は未経験者や独自学習で下地のある人を採用し、一定の教育機関を通してITエンジニアを育てていくという流れにシフトしています。
見方を変えれば、これまでは未経験の人がITエンジニアとして転職するのはハードルが高く、難しいと言われてきたのが、未経験者であっても採用されやすい環境になってきているといえるのではないでしょうか。
また、その流れは今後も広がっていくものと思われます。
※参考:IT人材の最新動向と将来設計に関する調査(経済産業省)
ITエンジニアは目指す価値がある仕事
ITエンジニアは、未経験からでも目指す価値がある仕事です。
なぜなら、将来性が高い業界だからです。
「自分は文系だから目指すことができない」と諦める必要はありません。ITエンジニアは理系・文系問わず目指すことができます。
企業によっては文系のほうがエンジニアに向いているということで文系の方を率先して採用しているようところもあるくらいです。
そして、実力次第で市場価値の高いエンジニアになることができます。
さまざまな企業を知り、エンジニアを目指すために必要なスキルは何か考え、情報収集して未経験からでも業界で重宝されるようなエンジニアを目指しましょう。
まとめ
これまでお伝えした内容で、IT企業がブラック企業ばかりではないことは理解いただけたかと思います。
また、ITエンジニアは常に不足している状態なので、未経験者を敬遠するようなこともないこともお伝えしました。
今のIT業界は働き方改革の旗振り役としても、DX推進に欠かせない職種であることからも、将来性もある仕事です。
但し、いまもブラック企業といわれるようなIT企業が存在していることは否めません。
また、手に職がつくから、給与水準がたかいから、入社したら1から教えてもらえるだろうというように安易に考え、ITエンジニアを目指すことはやめたほうがいいでしょう。
プログラミングを仕事としておこなうには向き不向きがあることは確かです。
学習する過程で自身が向いているのかどうかを考えてみることも大切なことです。
また、ITエンジニアというは1つの職種を指す言葉ではありません、Webエンジニア、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、インフラエンジニア、社内SEなど多くの職種の総称でもありますので、どのようなITエンジニアになりたいのかを明確にした上で勉強することをおすすめします。
どれだけ優れたITエンジニアであっても、最初は未経験なのです。
周囲がITエンジニアはやめとけ、ブラック企業ばかりだというような意見に耳を貸す必要はありません。
残業ゼロというIT企業だって珍しくはありませんし、リモートワークで効率的な働き方を選択できるかの可能性だって高い業界です。
また、年収だって1000万を超える人もたくさんいますし、事業を立ち上げて起業だって夢物語ではありません。
とはいっても全くITスキルがない状態からエンジニアに転職しようとするとハードルがあることも事実です。
大切なのはITエンジニアの今を理解し、どのように目指していくのかを計画することだと思います。
完全に未経験者を中途採用する企業の中には、ブラック企業多数存在している可能性が高いです。
なぜなら、一般的には企業は即戦力になり得る経験者を最も必要としているのですが、経験者は条件の良い企業へ転職が決まっていくものだからです。
未経験者の人がIT起業への転職を考えた際に重要なことは、まず自分自身の向き不向きを確認した上で、企業分析を綿密に行うことです。
間違ってもブラックと呼ばれるような起業へ転職してしまわないように、細かく情報を確認することが貴方のITエンジニアとしてのキャリアパスを輝かしいものにしてくれるのです。
ぜひ、貴方の目指すITエンジニアになって、最適な環境で活躍してください。