ITという言葉は当たり前のように普及していますが、プログラマーとして働いている方やプログラマーを目指しているという方でも、正しく理解していないケースも少なくありません。
周囲からITの意味やICTとの違いなどを聞かれると、ドキッとしてしまう方もいるのではないでしょうか。
今回は、ITの意味をおさらいしつつ、ICT・IoTとの違い、世間やIT業界で使われる関連用語などを解説します。ITにまつわる知識を復習しておきたい方はぜひ参考にしてみてください。
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Contents
そもそもITとは?
早速、あらためてITの意味をおさらいするとともに、ICTやIoTなどとの違いについて簡単にわかりやすく解説します。
ITの意味とは
ITとは、Information Technologyの略称であり、情報技術を意味する言葉です。ここでいう情報技術とは、情報を取得・加工・保存・伝送するための技術を指します。
パソコンやOS、アプリ、ネットワーク、セキュリティなど、ソフトウェアやハードウェアに関する技術も含まれます。
ICTとの違い
ICTとは、Information and Communication Technologyの略称であり、情報通信技術を意味する言葉です。ITの種類に含まれる言葉であり、その中でも特に情報の通信に関する技術をさすときに使われます。
メールやスマートフォン、グループウェア、チャットボットなど、コミュニケーションに欠かせないツールやシステムなどがICTの例として挙げられます。
IoTとの違い
IoTは、Internet of Thingsの略称であり、あらゆるモノをインターネットに接続する技術をさす言葉です。
たとえば、最近ではエアコンを無線LANに接続することで、外出先からもリモート操作ができるようになりました。IoTの考え方が普及したおかげでしょう。なお、ITのTは技術をあらわしている一方で、IoTのTはモノをあらわしているのが、両者の大きな違いとなっています。
世間で使われるIT用語
ITが普及していくにつれて関連用語もたくさん生まれました。ITの理解を深めるためにも、世間でよく使われるIT用語を簡単にまとめてみます。
ITリテラシー
ITリテラシーとは、ITの活用能力をあらわす言葉です。たとえば、ITツールを使いこなせる人に対して、「あの人はITリテラシーが高い」などというように使われます。
IT企業
IT企業とは、ITに関連する事業を行っている企業です。一般的に、ITツールやITシステムを開発する企業が該当します。自社製品を開発する自社開発会社や、他社の製品を開発する受託開発会社などの種類があります。
ITベンダー
ITベンダーとは、IT関連製品の販売業者をさします。ハードウェアを販売するハードウェアベンダーや、ソフトウェアを販売するソフトウェアベンダー、システムを販売するシステムベンダーなどの種類があります。
IT業界
IT業界は、IT企業やITベンダーなどが市場で形成している集合体です。ソフトウェア業界やハードウェア業界、情報処理サービス業界、Web業界、通信インフラ業界などに分類されます。近年は未経験からプログラミングを学習して転職までサポートしてもらえるプログラミングスクールが増えています。異業種からの転職を検討しやすい業界だといえるでしょう。
ITエンジニア
ITエンジニアとは、ITに関する専門知識や専門スキルを持った人材をさします。近年では、AIやデータサイエンスなどの先端的なIT業務に従事する人材については先端IT従事者(デジタル人材)と呼ぶようになり、その一方で先端IT従事者以外については先端IT非従事者(従来型人材)と呼ぶようになりました。
ITガバナンス
ITガバナンスとは、企業が自社の情報システムへの投資・効果・リスクを最適化するための組織能力をさします。ITガバナンスが低いとシステム障害が発生するなど、経営に損害が生じる恐れが高まります。反対にITガバナンスが高いとITを効率的に活用して経営に利益をもたらせる可能性が高まります。
IT業界で使われる頻出用語
ここまで世間で使われるIT用語についてご紹介しました。ただ、ITエンジニアとして働く場合は、さらに踏み込んだ頻出用語まで理解しておく必要があります。
引き続き、IT業界でよく使われる頻出用語の意味を解説します。
AI
AIとは、Artificial Intelligenceの略称であり、人間の考え方を人工的に再現するシステムをさす言葉です。AIは情報や画像、テキストなどの情報を受け取ると、知的能力を模したアルゴリズムによって処理を実行します。最近ではAIをベースとしたChatGPTというチャットボットサービスが登場しました。テキストで質問をすると、人間が考えたような文章で最適な回答を返してもらえます。
ERP
ERPとは、Enterprise Resources Planningの略であり、企業の経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報を有効活用するための考え方です。一般的には、企業活動に必要な情報を集約した基幹系情報システムをさすケースが多くなっています。ERPによって情報の一元管理が可能になるため、会計や販売、生産などの業務を個別に管理する煩雑さから解放され、業務の効率化を実現できます。
SaaS
SaaSとは、Software as a Serviceの略称であり、インターネットを経由して利用できるソフトウェアです。デバイスにソフトをインストールする必要がありません。インターネットが利用できれば、自宅やオフィス、カフェなど、好きな場所でデバイスからソフトウェアを利用できます。
SIer
SIerは、System Integratorの略称であり、情報システムの企画から運用までの業務を顧客から請け負う情報通信企業のことです。クライアントの業務内容を分析して課題を明らかにして、課題を解決するためのシステムを提案して開発します。完成後にはシステムが正しく稼働するように保守を行います。
DX
DXとは、Digital Transformationの略称であり、企業が競争上の優位を確立するために、デジタル技術を活用して製品やサービス、業務、組織、企業文化を変革することをさす言葉です。ここでいうデジタル技術には、AIやIoT、5G、クラウドなどが含まれています。デジタル技術を通して事業を変革できる知見・スキルを有する人材はDX人材と呼ばれるようになりました。
また、DXについて、更に詳しく知りたい場合は「今さら聞けないDXとデジタル化の違いとは?デジタル人材って?」をご覧ください。
ビッグデータ
ビッグデータとは、巨大なデータ群を意味する言葉です。一般的には、Volume(量)・Variety(多様性)・Velocity(速度または頻度)・Veracity(正確性)・Value(価値)などを高いレベルで備えています。ソーシャルメディアデータやWebサイトデータ、カスタマーデータなどがビックデータとして挙げられます。ビックデータを収集・蓄積・分析することで事業に新たな価値を生み出すことが可能です。
IT業界は深刻な人材不足?
ITエンジニア・クリエイター専門エージェントのレバテックは、「ITエンジニア・クリエイター正社員転職・フリーランス市場動向 2022年12月」で、ITエンジニア・クリエイターの正社員転職における需給の変化を公開しました。
ITエンジニア・クリエイター正社員の求人数は、2018年から右肩上がりとなっており、2022年12月時点における求人倍率は15.8倍でした。
厚生労働省が発表した一般職業紹介状況では、2022年11月の求人倍率が1.35倍であったことから、ITエンジニア・クリエイター職の求人倍率は圧倒的に高いことがわかります。
今後の動向は定かではありませんが、現状としてはIT業界が人材不足に陥っていることは間違いないようです。
また、IT人材の深刻な人材不足について、更に詳しく知りたい場合は「2030年にはIT人材が最大79万人不足するって本当? 需要が高まる職種やスキルなどを解説」をご覧ください。
参考:レバレジーズ株式会社「ITエンジニア・クリエイターの求人倍率、15.8倍と高止まり続く」
まとめ
今回はITの意味をおさらいしつつ、IT関連用語などについて解説してきました。
日常生活にITは当たり前のように浸透しており、もはや一般的な用語として使われるようになっています。
ITリテラシーやITベンダー、SaaS、DXなどの関連用語もたくさんありましたが、意味を理解しないまま使っているとコミュニケーションを取りづらい場合もあるでしょう。
ITの意味を押さえておけば、関連するIT用語も正しく使いこなせるようになります。
ITエンジニアやプログラマーとして働くのであれば、正確なコミュニケーションを交わせるようにするために、ITの定義を正確に言葉であらわせるようにしておきましょう。