都内での外出自粛要請が3/21まで外出自粛要請が延長になりました。感染者が落ち着いてきているというニュースやワクチン接種開始などもありますが、新型コロナウィルスの影響はまだ年内でも続いていくと思われます。そのような状況の中で、テレワークを急遽導入した各企業では課題を発見されたかと思います。
それでは、テレワークがうまくテレワーク導入がうまく行った企業はどのような施策を行ったのでしょうか。本稿では、テレワークを実施している実態や成功している起業の施策例などをご紹介します。是非参考にしてください。
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テレワークの実施状況
まず、テレワークの実施状況に関して、各社の調査結果をご紹介します。デルテクノロジーの調査によると在宅勤務を実施している企業が2020年12月現在で約6割との報告がされました。緊急事態宣言に関わらず、今後も継続を検討したいという人が90%近いとのことです。
また、東京商工会議所の調査によると、2021年1-2月時点の調査で、社員数30名以上の首都圏企業では66.2%の企業がテレワークを実施しており、社員数の多い企業ほど実施率が高い数字が確認されています。また、テレワークのスタイルとしては、週5日の完全テレワークが25%前後、週の半分以上行っているものが55%程度となっています。
しかし、日本生産性本部の全国調査によると、全国でテレワークの実施率は2割前後といわれており、地域差がまだまだ大きいと言うのが現状です。テレワークを実施していない企業の理由としては、自社にテレワークにふさわしい業務がないことが理由です。このようなことも鑑み、テレワークとの親和性が高い業種ではすでに一度導入が検討されており、今後大きく増えることが無いという見通しもあります。
テレワーク実施の課題と必要な施策
テレワークを導入した上で課題を感じている企業も多いかと思います。テレワークを実施している中で、よく出る課題をご紹介します。テレワークでの課題は大きく社員自身のモチベーションなどのマネジメント、業務効率、紙等の業務処理方法の問題です。
モチベーションの維持
従来オフィスでの仕事の場合、チームで働く機会が多かったりするため、予期せぬコミュニケーションなどで仕事の全体を把握することができました。しかし、リモートワークでは個人での作業がメインになったり、必要のとき以外のコミュニケーションが減ったりするため、仕事に対してのモチベーション維持が難しいという懸念があります。
モチベーション維持のための施策の一つが、コミュニケーションの向上です。例えば、リモートワーク内でのコミュニケーションの質を高めるためにSlackやTeamsなどのツールの活用があります。ツールをより活用してもらうために、ツールへの理解度向上につながるような研修の実施や運用ルールを規定しておくことがおすすめです。また、完全リモートワークではなく、月木など特定の日にちを出勤日として設定することで社員のコミュニケーションを促進することを意識したルールを規定することもおすすめです。
業務効率の低下
従来対面で行っていたコミュニケーションがなくなったり、モニタやプリンタなどの機器を社員全員に整備できるのかや、リモートアクセスからのネットワークの速度が遅くなるなどにより業務効率が低下するとも言われています。そのため、企業に求められるのが環境整備への投資です。
例えば、システムの投資以外には交通費の支給の代わりに自宅内での通信費の支給があります。また、今後はリモートワークだけでなく、自宅での勤務、そしてオフィスでの勤務の両方が混ざるハイブリッド型の働き方も増えて来ると予想されます。その際、サーバやストレージ、ネットワークなどの情報にシームレスにアクセスできるようクラウドリソースであるas-a-serviceの導入、利用などがあります。このようなリモートワークの稼働環境向上を図ることで、ストレスのない仕事環境を用意することが業務効率低下の防止策として企業へ求められています。
紙媒体の処理が多い
契約書など紙でのやり取りが多かったり、社外秘の情報がまだデータ化できていなかったりする場合、テレワークを導入していてもオフィスに行かなければ対応できない業務が発生します。その結果、リモートワークを導入しても実質的には実施の妨げになってしまう場合があります。
そこで求められるのがペーパーレス化です。例えば、帳簿を電子化することで経費精算や契約書作業などの紙媒体を減らしていったり、従来の書類のPDF化などを行ったり、どこでもアクセスできるようなサーバの用意などが考えられます。その結果、PCからだけでなく、スマホやタブレットなど、どこでもアクセスできるようにすることでリモート化の徹底が進み、業務効率も高まります。セキュリティーや機密性も鑑みてシステムを導入しましょう。
テレワークを成功させている企業が行っている施策とは?
それでは、具体的にテレワークを成功している企業が行っている施策とはどのようなものがあるでしょうか?
業務の担当範囲の制定
1つ目は、業務の担当範囲を明確に制定するという方法です。オフィスでの勤務の際は、突然の作業が発生してもその場で声をかければ対応することができ、コミュニケーションが容易であったため意図した結果を出すことがしやすい環境にありました。しかし、リモートワークではコミュニケーションに制限がかかる上に、社員がより集中した環境づくりを作ることも求められます。そのために有効なのが業務の担当範囲を明確にすることです。社員の職務内容を明確にすることは、コミュニケーションの齟齬をなくすことにつながり、モチベーションの維持につながります。
非接触でのコミュニケーション方法の確立
2つ目は非接触のコミュニケーション方法の確立です。テレワークの環境ではオフィスで行っていた雑談のような直接のコミュニケーションが難しいという課題が見られました。その代わりの手段として、チャットや社内SNSなどのようなツールで社内のコミュニケーションを取る方法を確立します。仕事関係だけのメールでの連絡でなく、他愛もない会話をするチャネルなどを設定するなど自由に会話できる方法を設定しましょう。
過度にならない頻度でのマネジメント
3つ目は、過度なマネジメントをしないということです。リモートワークを進める上でどうしても不安になるのが、社員がちゃんと勤務しているかです。そのような不安の結果、逐一状況を確認し、全てを詳細まで把握した上で指示を出すマイクロマネジメントに走りがちです。しかし、今後リモートワークを進める上では、メンバー型の管理ではなく、目標を定めてそこに向けて自由に作業をさせるジョブ型のマネジメントが求められます。このように過度にならないマネジメントを導入することも、テレワークを成功につなげるきっかけになります。
エンジニアがテレワークで活躍できる人材になるには?
多くの企業がテレワークの成功をするため試行錯誤していますが、既に導入されている職種では特に今後はテレワークが一般化していくと思われます。このような環境でエンジニアが活躍できる人材になるには、いったい何が必要でしょうか。
1つは、スケジュールを遵守して単独で担当業務を完結できるという仕事の理想形を達成できることです。そのような状況を実現するために重要な点としては、担当業務の範囲が明確になっているか、担当業務に関する技術的な課題を把握し、その解決法を持っているかです。自分の業務が明確であり、フォローが必要なければオフィスに出勤する必要がありません。
もう1つ、よりあるといいのがコミュニケーション力です。課題の解決や相談毎がある時に手短な文章で状況を伝え、あわせて文章から意図を読み取る能力を持つことで、テレワーク環境でも活躍できる人材になることができます。
まとめ
テレワークは今後大企業だけにはとどまらず、中小企業も含めた課題です。2016年には60.3%の生産年齢人口が2050年には51.8%まで急激に減ると予想される中で、オフィス通勤を必須とする企業は将来的に若手の人材確保が難しくなる可能性があります。その結果、中小企業は人材を確保できず、人材不足倒産の危険性すらあります。このような危険性を避けるためにも、企業はテレワークを成功に導くための施策の検討が必要でしょう。
今後の労働環境が大きく変化していく中でエンジニアとしてテレワーク人材として活躍するためには、平時でもテレワークが実施している仕組みが整っている企業で経験を働き、テレワーク下で担当業務をスムーズに完遂できるような経験を積んでおくことが重要になります。
テレワーク下での勤務に必要な自身のスキルアップを行いつつ、今回の記事を参考に労働環境の改善を図ってみるのも良いのではないでしょうか。社内の課題解決の経験は知識の幅を広げ、自分の自信にもつながりますし、仕事環境が改善すれば自身へのメリットも多くなります。環境の整備を行うことは容易なことではありませんが、自分の将来に繋がると考えチャレンジしてみてはいかがでしょうか。