履歴書は、書類選考時から面接までご自身を示す書類としてとても重要なものです。 履歴書の内容次第で事前の心象を良くして転職を有利に進められることに繋がりますし、その一方で大半の企業は履歴書の質・内容で書類選考の合格・不合格を決めるため、しっかりと作成する必要性があります。今回は転職経験が浅く職歴がまだ多く無いエンジニア向けに、履歴書の基本的な作成の仕方をお伝えいたします。既に履歴書を書き慣れている方でも、自分の履歴書を見直す意味で一読してみてください。
標準的な履歴書の書き方
氏名や住所等の基本情報を書く際は、1点だけ留意点として日付があります。投函日、提出日などが起点日となりますので、年齢などもこの起点日に合わせて記述しましょう。あとは特に詰まることは無いと思います。
学歴欄には義務教育の記述は必要ありません。高校(高等学校と記述)以降で、高校・専門学校・大学ともに専門の学科やコース(高校はある場合)まで記述すること、研究室などで関連ある分野があれば記述することを心掛けましょう。
中退してしまった場合についてはネガティブな印象を与えてしまうのでは? との危惧があるかもしれませんが、学歴は事実を正しく記述する必要があります。書き方は「中途退学」と学校名のあとに書きましょう。なお、留学などの致し方ない明確な理由で中退をした場合は、事情をあわせて書いておくと面談時の説明も不要になりネガティブな印象という危惧も払拭できます。
学歴と職歴の間は1行をあけて続けて書きます。
職歴は入社と退社の時期(○○年○○月)を入社・退社で1行ずつ使って記入します。また、現在在職中であれば「現在に至る」と締めます。
離職期間がある場合はそれも誤魔化さずに記述します。例えば、病気治療を理由に離職していたなら現在は回復している事、その間に何かを学習・習得していれば、そういった自己研鑽を記述します。長期にわたるパート・アルバイトはアピールできる経験があれば、記載するのも良いでしょう。同様に短期間での退職はネガティブな印象を与えるのでは?との危惧があるかもしれませんが、理由を説明できればNGという事はありません。むしろ正しく記述する事が重要で、ブランクについては面接時に必ず聞かれますし、後日雇用保険の履歴や会話の不一致等から詐称が判明してしまうとトラブルになりかねません。企業にもよりますが、経歴詐称で解雇は珍しくありません。良く見せたい気持ちを押さえて、正しく記述することを心掛けましょう。
エンジニアとして履歴書で気にすべき点は後述する「志望動機・自己PR」と「所有資格」の欄になり、他の部分は普通の履歴書と同じと思って頂いてけっこうです。
履歴書は手書きか電子データ作成か
一般的には履歴書は手書きで作るものと考えている方もいるかと思います。
しかし、ITの業界ではあまり手書きにこだわらないのが現状です。原則的にパソコンで業務をすることが殆どになる職種ですから、やり取りし易い電子データで基本問題ありません。職務経歴書はデータで作る事が多く、履歴書と併せて応募することを考えると、やはり2つの書類はデータで揃えた方が事前メール送付などやり取りもし易いというメリットもあります。
しかし、残念ながら 「手書きで人となりを見る」という文化が残っている会社も希にあるため、100%データで問題ないとは言いきれないのが実情です。非常にレアケースではありますが、そういった場合にはマイナス印象になるということもあり得ます。とはいえ現状では総じてデータ作成でも大丈夫と言えるでしょう。
採用担当はどこを見ているか
エンジニアの採用の履歴書ではありますが、技術の部分のみを重視して見ているとは限りません。一般的に採用担当者は技術職ではなく営業職や総務職というケースが多く、技術職には採用審査の途中でスキルのチェックを頼むことが多いです。そのため、文面をあまりに技術的なものにすると採用担当に伝わらないケースもあり得ます。
熱意があるとしても、できるだけ技術的な専門用語を避けて、平易な文面にして伝わるようにしましょう。 採用担当が重視して見ている主なポイントは今から述べます志望動機・自己PR欄になります。技術的な詳細は職務経歴書の方で確認するので、志望動機は何なのか? 会社に入ったら何をしたいと考えているのか? 自己PRは何か? の部分になります。志望動機を明確にし、会社の事も理解した上で目指す事なども明確に記述しましょう。
エンジニアとしての志望動機・自己PR欄の使い方
この欄は非常に重要な欄で、大きく2つの事を書くことになります。
1つ目は希望の条件です。
応募する会社に自分の希望する雇用条件(勤務先のエリアや希望する給与)をしっかりと伝える必要があります。会社側も希望の条件をかなえられる人材か判断すると同時に、その条件次第で採用の幅も左右する可能性があります(採用人数や求人の必要度の度合いも変わる可能性があります)
2つ目が志望動機・自己PRになります。
採用担当者はここを最も見ていると言っても過言ではありません。
なぜこの企業を志望して応募したか、入社してやりたいことは何か、応募する企業で何ができると思うかなど、志望動機と採用後に企業が得られるものを明確に書きます。面倒でも志望動機は絶対に使いまわしをせず、応募企業ごとに用意することが大事です。他の企業ではできないことがあれば、特に記述しておきたいですね。
それに合わせて、将来目指すこともここで書きます。どんなエンジニアになりたいのか、どの技術の方向に進みたいのか、など自身の将来像になります。あまり過度な自己PRは控えるべきではありますが、技術的な特性や、進みたい方向性、熱意など、自己PRもここでしっかりと記述しましょう。
所有資格の記入
履歴書に記入する資格は普通運転免許などの一般的なものが中心です。業務系の専門資格は職歴と併せて職務経歴書で合わせて確認することが多いため、業務系の資格は職務経歴書にのみ記入すれば構いません。
また、入門クラスの資格については経験と比べてミスマッチでなければ記載しても損にはなりません。自分の履歴書に記入するべき資格か考え、差し支えがなさそうであればなるべく記述しましょう。
まとめ
エンジニアの履歴書として特に転職時の特徴的な留意点などをまとめましたが、一概に技術的な経験の履歴が多くあった方がいいという事でもありません。事実を丁寧にしっかりと記述していく事を心掛けましょう。
あとは入社についての意欲と志望動機、これから進みたい方向性などを整理した上で自分の言葉で記述していくことが重要です。