近年、働き方改革や新型コロナウィルスの影響により、多くの企業が在宅ワークを導入しています。特にIT業界は在宅ワークとの相性が良く、コロナ禍が収束した後もスタンダードな働き方の1つになる可能性が高いでしょう。
在宅プログラマーとは、自宅で仕事(プログラミング)をする仕事をしている人のことですが、目指している人もかなりの規模いるようです。スキルがあれば長期間安定した収入が見込める仕事として評価されているようです。
しかし、在宅プログラマーとして働くのは簡単ではなく、安定して在宅ワークするためには努力が必要です。では、未経験からいきなり在宅プログラマーを目指すことは可能なのでしょうか?
この記事では在宅プログラマーとはどのような仕事なのか、どのようなスキルが必要なのか、収入はどのくらいなのか、在宅プログラマーを目指す人のための情報をお伝えします。
Contents
プログラマーとは
そもそも、プログラマーとはどのような仕事をする職業なのでしょうか。ここでは簡単に、プログラマーの基本的な仕事内容と種類をご紹介します。
プログラマーの仕事
プログラマーの基本的な仕事は、SEが作成した設計図や仕様書に基づき、実際にプログラムを書くことです。プログラミング言語を用い、コンピュータに実行して欲しい処理を記述していきます。
プログラマーの種類
一口にプログラマーと言っても、実際には多くの種類があります。例えば、Webサイト上で動くWebアプリ、スマートフォンやタブレット用のアプリ、コンシューマやスマホ用ゲームなど、開発するものによって、それぞれWeb系、アプリ系、ゲーム系プログラマーと呼ばれます。また、中には電化製品などに組み込まれるプログラムを作る組み込み系プログラマーや、大規模な業務システムを開発する汎用系プログラマー、主に業務システムを開発するオープン系プログラマーなどがあります。
在宅プログラマーに適しているプログラマーの種類
どのようなプログラマーでも在宅に適しているという訳ではありません。例えば、個人情報を扱うことが多い汎用系のプログラマーは、情報漏えいを防止する観点から、在宅には向いていません。また、専用の機器や実際の製品を用いたテストが必要になる組み込み系のプログラマーも、在宅には向いていないと言えます。
在宅プログラマーに適しているのは、Web系やアプリ系のプログラマーです。そもそもインターネット上での公開を前提にしているため、開発の際もコードをインターネット上で共有しやすい、というメリットがあります。
在宅プログラマーになる方法
それでは、在宅プログラマーになるにはどうしたらよいのでしょうか。ここでは、在宅プログラマーになる主な方法3つをご紹介します。
フルリモート勤務の企業へ就職・転職する
一つ目の方法は、フルリモート勤務の企業へ就職・転職するというものです。特にIT系はリモートワークとの相性が良いため、他の業界よりもリモートワークの普及率は高いとされています。
しかし、時勢次第で出勤を増やす企業も中には出てくるでしょう。今後ずっと在宅で働きたい場合には、企業の方針を確認しておく必要があります。
フリーランスとして在宅ワークOKの案件をうける
2つ目の方法は、フリーランスとして在宅で働く、というものです。フリーランスとは、特定の企業に勤めず、自営業として仕事をする働き方です。フリーランスのプログラマー向けの案件の中には、実際に現場に行くものもあれば、在宅のものもあります。
フリーランスとして独立しても、仕事を受注するには一定のスキルや実績が必要となります。それなりに経験を積んだ人であれば、フリーランスとしても案件をもらえる可能性はありますが、正社員に比べて収入が不安定になりがち、というデメリットにも注意しましょう。
副業としてできる規模の案件をうける
3つ目の方法は、副業として在宅プログラマーになる、という方法です。本業がエンジニアの人でもそうでない人でも、今はプログラミングを副業にしている人も増えつつあります。副業の場合、在宅でも可能な案件も多いため、自分の本業やライフスタイルに合わせて柔軟に活動できるでしょう。
在宅プログラマーのメリット
ここでは、在宅プログラマーのメリットをご紹介します。在宅プログラマーには、「時間や場所の制限なく働ける」「収入アップが見込める」といったメリットがあります。
時間や場所の制限なく働ける
通勤の必要がなくなるため、働く場所や時間についての制限が緩い、というメリットがあります。企業に勤める場合には、本社の遠方に住みながら働くことも可能ですし、フレックスタイム制を導入する企業も増えてきています。
フリーランスや副業の場合には、完全に自分の裁量次第で案件を選ぶことができます。時間や場所に縛られないため、チャレンジできる仕事が増えたり、スキルアップのための時間を作りやすかったり、といったメリットもあります。
収入アップが見込める
特にフリーランスや副業の場合、在宅プログラマーとして働くことで収入アップが見込める可能性があります。十分なスキルさえあれば、IT系の在宅案件は豊富にあるため、働けば働いた分だけ収入は上がります。スキルには自信があるのに今の収入に不満がある方は、フリーランスとしての独立や副業を検討してみると良いでしょう。
在宅プログラマーのデメリット
それでは反対に、在宅プログラマーにデメリットはあるのでしょうか。在宅プログラマーには、「収入が安定しにくい」「コミュニケーションをとりにくい」といったデメリットもあります。
収入が安定しにくい
たしかに在宅プログラマーには、収入アップが見込めるというメリットがあります。しかし、フリーランスの場合、自分が働いた分の収入しか得られないため事故や病気などで働けなくなった場合や、そもそも案件が受注できなければ収入はありません。そういった不安定さというリスクもあることには注意しましょう。
コミュニケーションをとりにくい
オフィスでの業務に比べ、在宅の仕事はコミュニケーションをとりにくい、ということが一般に指摘されています。プログラマーの仕事には、他のプログラマーやSEとのコミュニケーションが欠かせません。特に経験が浅い場合は、分からないことや困ることも多いと思います。そういった時のために、きちんとコミュニケーションがとれるような環境を整えておく必要があります。
在宅プログラマーになるために必要なスキル・経験
実際に在宅プログラマーになるには、どのようなスキルや経験が求められるのでしょうか。在宅で働くには、まずは一定のプログラミングスキルが求められます。
研修から在宅で行う企業に入社するような場合は別ですが、在宅プログラマーとしてフリーランスや副業で働く場合には、一人でも案件をこなせるだけのスキルが始めから必要になります。
加えて、自己管理能力や営業力も必要です。在宅は上司や同僚の目がないため、怠けがちになってしまう方も多いようです。自己管理ができないと、在宅プログラマーになっても仕事は進みません。また、フリーランスや副業の場合には自分で案件を獲得しにいかなければならないため、自分を売り込む営業も必要になります。
未経験から在宅プログラマーになれるのか?
それでは、未経験からでも在宅プログラマーになれるのでしょうか。結論から言うと、いきなり在宅プログラマーになるのは難しい、というのが一般的な見方です。
未経験として在宅勤務を採用している企業に入社する場合には、研修等も在宅で行われるため、可能かもしれません。しかし、在宅プログラマーとしてフリーランスや副業で収入を得ることは、未経験の場合は相当難しい、というのが現実です。
スキルが十分でなかったり、知識はあっても実際の開発経験がほとんどなかったりする場合には、案件を獲得できるチャンスは大きく減ります。最近では、プログラミングスクールで独立や副業を支援している場合もありますが、いずれにしても相応の努力が必要だということには注意しておきましょう。
在宅プログラマーとして勤務する場合も、完全未経験という状態からは難しいかもしれません。現在はIT企業のみ経験者枠もかなり人気が高いことから、倍率が激しくなっています。そこで少しでも差をつけるべく、プログラミングを自己学習していたり、スクールに通ったりと知識を身に着けて、それをポートフォリオにまとめたり、応募書類でアピールしている求職者も急増しています。
なんの準備もせずに応募しても、他社との差は埋められずに書類選考を通過することが難しいでしょう。
まずは、在宅プログラマーことを目標をするのであれば、どのようなスキルが必要なのかを検討してみるといいでしょう。最低限、プログラミングの予備知識は必要となるはずです。
在宅プログラマーの収入
プログラマーの平均年収は、一般に400万円程度とされています。企業に勤めて在宅勤務している場合にはこの数字は大きくは変わりません。しかしフリーランスや副業となると、年収には大きな幅が生まれます。
高レベルなスキルさえあれば、フリーランスの在宅プログラマーとして高い収入を得ることは可能です。例えば、2022年7月現在、「レバテックフリーランス」のプログラマーの月額平均単価は68万円です。このレベルの収入を維持することができれば、年収は800万円を超える計算になります。
反対に、スキルがなければ十分な収入が見込めない恐れもあります。在宅プログラマーの収入は、スキルによって大きく左右されるということに注意しましょう。
在宅プログラマーの将来性とは
在宅プログラマーには今後も将来性がある、というのが一般的な見方です。IT人材が不足しているというだけでなく、今後も在宅勤務やフリーランス、副業といった自由な働き方が増えていくことが予測されているため、案件が枯渇する、といったことは想定しにくい状況です。
ただし、繰り返しにはなりますが、十分なスキルを持っていなければ、在宅プログラマーとして生き残ることはできません。スキルをレベルアップさせるだけでなく、最新の技術も勉強して、知識を日々アップデートしていく必要もあるでしょう。
まとめ
在宅プログラマーはIT企業の働き方の1つとしてすでに定着していますが、誰もが成果を出せるわけではありません。在宅プログラマーとして成果を出すには、自己管理力や営業力が欲しいところです。在宅プログラマーを目指せるのか、自分の適正やスキルを見極めて自己分析してみるといいでしょう。
また、未経験から在宅プログラマーを目指す方は、かなりの努力が必要だということを忘れないでください。未経験者として企業に採用される場合を除けば、フリーランスでも副業でも、一定のスキルが求められます。
未経験であっても企業に採用された場合であっても、在宅プログラマーになることはあまりおすすめできない可能性もあります。未経験から会社に勤め始めた場合は、多くのことを覚えなくてはならず、周囲にすぐに聞ける環境があったほうがいいケースもあります。在宅プログラマーとなると、聞きたいときに聞きずらい、聞いてもリモートではわかりにくいなどのデメリットもあるのです。
在宅プログラマーという働き方は新たな可能性も示唆しています。これまで地方在住のプログラマーは、求人の選択肢が限られていました。しかしフルリモートが可能になれば、地方在住のまま全国の企業への転職が可能になります。在宅プログラマーという働き方は、プログラマーの働き方の選択肢を大きく広げ、より活性化していく入り口なのかもしれません。