近年、生成AIやメタバースなどITに関する技術が加速的に発展し、ITエンジニアに将来性を感じている方も多いでしょう。ただ、異業種からIT業界を目指すとき、IT企業の選び方を押さえておかないと、転職に失敗するリスクが高まります。
IT業界も非常に幅広い業種や業態がありますから、一重にIT企業といってもその特性や業種をきちんと把握したうえで、自分が入りたいIT企業なのかどうかを見極める必要があります。
ITエンジニアへのジョブチェンジを考えているが、ITエンジニアが幅広い職種の総称であることはご存知でしょうか？
例えば、インフラエンジニアとプログラマーは同じITエンジニアというグループの職種ですが、業務範囲も必要なスキルも大きく違います。ITエンジニアの中でも、どのような職種で活躍した以下によって、IT企業の選び方も皮割ってきますので、注意してください。
今回は、IT企業の選び方をはじめ、IT企業の種類や働き方、注意点などを解説します。
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Contents
IT企業の選び方
早速、IT企業の選び方で最も重要なポイントを解説します。
今やりたい仕事と将来やりたい仕事
興味があるジャンルのアプリケーションやサービスを開発できないとモチベーションが低下してしまいがちです。ゲームが好きな方であればスマホゲームアプリの開発企業、トレンドが好きな方であればSNSサービスの開発企業など、自分が好きなテーマに関連したIT企業を探しましょう。
入社後に想定していたキャリアパスを実現できない場合、離職を検討せざるを得なくなります。たとえば、いつまでたってもプロジェクトのマネジメント業務に携われないケースがよい例でしょう。今やりたい仕事と将来やりたい仕事を考慮しながらIT企業を選びましょう。
教育制度
未経験者向けの研修やスキルアップ支援があるかチェックしましょう。たとえば、先輩がプログラミングの学習会を開催して、新入社員に社内業務効率化ツールを開発させながらOJTをする企業もあります。
また、進歩の早いIT業界では最新スキルの習得に挑戦しやすい環境も重要です。eラーニングの受講環境や資格取得の支援金制度などがあるかも確認しておきましょう。
将来の給料が適正か
IT業界なら年収1,000万円以上など高収入を目指せますが、未経験入社だと年収が極端に低く設定されることがあります。実際に年収が200万円で辞めてしまった方も見受けられました。
ただ、未経験入社時の給料が安くても、IT業界は平均年収が比較的高いです。プロジェクトマネージャークラスになれば800万円を超えることもあります。将来的な給料について話し合ったうえでIT企業への入社を決めましょう。
IT企業の種類
IT企業の働き方は企業の種類によって大きく変わります。IT企業を選ぶときには企業の種類も押さえておかなければなりません。引き続き、IT企業の代表的な種類をご紹介します。
Web（インターネット）系企業
Web系企業では、検索エンジンやE-commerce（電子商取引）サービス、SNSなどのWebサービスを開発します。
代表的な企業はGoogleやAmazon、Meta、LINEヤフーなどです。
最近ではThreadsのように比較的長い文章を投稿できるSNSサービスも開発されて話題となりました。常にトレンドを察知し、新たなサービス作りが求められるため、就職の難易度は高い傾向です。
情報処理サービス系企業
情報処理サービス系企業（SIer）では、他企業からシステム開発を受注し、企画・設計・開発・導入・保守運用などを行います。
代表的な企業はNTTデータやNRI、NEC、富士通、IBMなどです。プログラミングやクラウド、IoT、AIといった幅広いスキルやハードウェア・ソフトウェアの知識も必要です。案件数が多く常に人材不足で、未経験でも入社できる可能性が高いです。
ソフトウェア系企業
ソフトウェア系企業では、WordやPowerPointなど、PCやスマートフォンで動作するソフトウェアを開発・提供します。
代表的な企業はマイクロソフトやAdobe、トレンドマイクロ、サイボウズなどです。
WindowsやAndroidといったPC・スマートフォンのOSに関する専門知識が必要になります。代表的なソフトは海外企業が開発しているため、グローバルなコミュニケーション能力も求められ、大手企業への就職難易度は高いです。
ハードウェア系企業
ハードウェア系企業では、ソフトウェアを動かすPCやスマートフォンなどの電子機器やプリンターやディスプレイといった周辺機器を開発・提供します。
代表的な企業はAppleや富士通、ソニー、NECなどです。最近では、PS5といったゲームソフトをプレイするハードウェアも人気を集めました。
企業の数が少ないうえに、プログラミングスキルだけでなく機械設計や電子設計などの専門知識が必要となるため、就職の難易度は高い傾向です。
通信インフラ系企業
通信インフラ系企業では、ネットワークの監視・運用・保守サービスや、携帯電話のような通信機器サービスなどを提供します。代表的な企業は、NTTドコモやソフトバンク、KDDI、楽天モバイルなどです。
案件数が多く常に人材不足といわれており、IT全般やネットワークの基礎から学べる研修制度が整った環境も見つかりやすいです。未経験でもITエンジニアとしてデビューしやすいでしょう。
IT企業での働き方
IT企業での働き方も選び方のポイントになります。続いてIT企業での働き方について解説します。
自社開発
自社開発は、自社で提供するソリューションやプロダクト、サービスなどを開発する働き方です。クライアントの依頼ではなく自社の企画で開発するので、機能や納期などの要望が発生せず、比較的自由度の高い開発が可能です。
受託開発・客先開発
受託開発・客先開発は、主に発注者からの開発依頼を受けて業務を行う働き方です。クライアントから開発案件を請け負う「請負」、指揮権を渡さずエンジニアを発注側に常駐させる「SES」、発注側にエンジニアの指揮権を渡す「派遣」の契約パターンがあります。機能や納期などの要望が発生するので、自社開発よりも開発の自由度が低くなりやすいです。
IT企業を選ぶときの注意点
IT企業を選ぶときの注意点も確認しておきましょう。
未経験歓迎だけで企業を判断しない
未経験を歓迎して積極的に採用する企業も少なくありません。スキルがなくても採用してもらえるのは魅力的です。しかし、研修制度が充実していないと、開発についていけず、離職せざるを得なくなる恐れもあります。
IT研修の時間や学習用教材の提供、メンターの有無など、入社後の学習体制についてあらかじめ確認を取りましょう。
未経験歓迎というIT企業であっても、知識が全く無い状態だと厳しいと思ったほうが良いでしょう。研修制度が整っていたとしてもIT関連の基礎知識から学ぶ場合はかなりの期間が必要となると思いますが、多くのIT企業の未経験者向け研修は1ヶ月〜3ヶ月間程度の期間のものが多く、基礎からプログラミング言語の習得までを3ヶ月で修了するのは無理があります。
IT業界への転職を想定しているのであれば、基礎的なIT知識、ITスキルを身に着けたうえで多少でもプログラミング言語の学習は事前準備としておいたほうがいいでしょう。
働き方について確認しておく
客先常駐の場合は同僚や上司などに気軽に質問できず、未経験だと苦労する恐れがあります。自社開発でもリモートワークをベースとしている場合、同僚や上司からサポートを受けづらいです。
またコロナ禍以後、IT企業ではリモートワークの導入が急増し、現在もリモートワークを取り入れている企業が非常に多い業界でもあります。ただし、IT業界全体としては出社が増えてきており、フルリモートは減少傾向にあります。
もし、フルリモートを希望していたり、出社を望まれている場合は、どのような働き方が中心のIT企業なのかを確認しておきましょう。
入社前に働き方をよく確認して、開発で困ったときの質問できるようなフォロー体制が整っているか見極めましょう。
IT企業に入社する前にできる準備
IT企業への転職を成功させるために、入社前にできることがいくつかあります。ここではIT企業に入社する前に始めたい準備を解説します。
資格を取得する
実務経験がない場合は気になるIT企業を見つけても書類選考で落とされるリスクが高まります。
面接に進める可能性を高めるために重要なのが資格の取得です。IT資格を取得すれば、自身のIT業界への適正や仕事に必要な知識・スキルを証明できるので、書類選考に通過できる可能性が高まります。
確実に資格を取得したいのであれば、比較的簡単なITパスポートから挑戦してみましょう。ITリテラシーに自信がある方は、より難易度の高い基本情報技術者試験に合格することで、未経験でも優良企業に採用してもらいやすくなるでしょう。
IT業界の実情をリサーチする
IT業界を深く理解すればキャリアの見通しが立ちやすくなり、目指す企業が明確になります。IR情報（株主や投資家に対して発信する企業の経営情報）に目を通したり、IT専門エージェント（キャリア支援の専門家が転職を支援してくれるサービス）などを活用したりして、IT業界で求められるスキルや知識などを把握しましょう。
特に求人サイトでは、具体的な仕事とともにJavaやLinuxなどといった開発環境まで確認できるので、学んでおくべきツールもはっきりさせやすいです。気になる企業と面談してIT業界の実情を知る機会も得られるので、ひとまず登録をしておくのがおすすめです。
自分に合ったIT企業を探して理想のキャリアを実現！
IT企業を選ぶときは、入社後に思っていたのと違ったとモチベーションが下がらないように、今やりたい仕事が実現できる企業なのかを着目することが重要です。
上記で紹介したIT企業の種類だけではなく、メーカー系や独立系などの分類もありますので、IT企業の分類は多岐にわたることを理解しておきましょう。
IT企業といってもWeb系企業やソフトウェア系企業などいろいろな企業があるので、興味があるジャンルの会社を探してみましょう。IT業務に挫折しないように研修環境や教育体制が整っているかどうか、将来的に納得できる給料が得られるかどうかも確認してください。
ただ、異業種からのジョブチェンジなどの場合、自分だけのリサーチだけではIT企業の情報が詳しく得られないこともあります。
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