プログラマー（PG）として経験を積んできた人が次ステップアップする職種としてシステムエンジニア(SE)を目指すのが最もポピュラーなキャリアパスだと言えるでしょう。
しかし、全てのプログラマーがシステムエンジニアになれるわけではないのが現状です。
では、どのような人がシステムエンジニアに向いているのかが気になりますよね。システムエンジニアに向いている人の特徴や、プログラマーからシステムエンジニアにキャリアアップ転職をしようとしている人に向けて失敗しないための会社選びなどを徹底解説します。
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Contents
プログラマーとシステムエンジニア（SE）の違い
プログラマーの仕事内容とは、プログラミング言語を用いて、さまざまなシステムやソフトウェア（アプリケーション）を作るためのプログラミングを行う仕事です。
システムエンジニアの仕事内容は、クライアントへのヒアリングを通じて要望に最適な仕様のシステム開発を行います。開発の現場において、システム設計やプログラミングなどの業務を担当します。
具体的には、以下の違いがあります。
- 業務範囲
- 必要なスキル
- 年収
業務範囲
通常、システム開発の流れは、要件定義・設計・開発・テスト・運用の流れで構築されています。それを踏まえた上で具体的にみていきましょう。
業務範囲では、システムエンジニアは要件定義・設計・テスト・運用を主に担当します。実際の開発はプログラマーが担当することが多く、それ以外の業務はシステムエンジニアが担当することが多いです。現場によっては、システムエンジニアが開発業務に加わったり、プログラマーがテストを担当することもあります。
基本的に、システムエンジニアはプログラマーよりも上流工程の業務を担当することが多いため、システムエンジニアはプログラマーにとって一つのキャリアパスとしてみなされることも多くあります。
必要なスキル
プログラマーとシステムエンジニアでは求められるスキルに以下のような違いがあります。
●プログラマー
- コーディングスキル
- エンジニアリングに関する知識
- 問題解決力
- 対人力
- 論理的思考力
●システムエンジニア
- コーディングスキル
- エンジニアリングに関する知識
- ヒアリング力
- コミュニケーション力
- マネジメント力
- 論理的思考力
プログラマーは、開発業務を行うためのスキルが最も重視され、システムエンジニアにはマネジメント力やコミュニケーション力といった人間力も重要となります。それは、クライアントと話す機会やプロジェクトメンバーをリードする機会も多くあるためです。
年収
求人ボックスの給料ナビによるたと、プログラマーの平均年収は431万円、システムエンジニアの平均年収は514万円と80万円ほどの差があります。ただし、必ずしもプログラマーよりシステムエンジニアの方が年収が高いとは限りません。プログラマーとしての経験を積むことによってプロフェッショナルとして高年収を実現する人もいます。
システムエンジニア（SE）の将来性が高い理由
理由は、以下の3つ挙げられます。
- IT業界全体の人手不足
- 各分野でのDX化の推進
- AIなどの最先端技術の普及
IT業界全体の人手不足
経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によるとIT業界全体でIT人材の不足は拡大が進み2030年時点では最大79万人のIT人材が不足すると言われています。また独立行政法人情報処理推進機構（IPA）の「DX白書2023」では2022年の調査において回答した企業の80%以上が質と量のどちらの面でもIT人材不足を感じていると回答しており、2022年時点でIT人材の不足が解消されていないことを裏付けています。
この結果により、IT人材は強い需要がありシステムエンジニアの将来性が高い理由にもなります。
各分野でのDX化の推進
近年ではユーザー企業もIT技術者の必要性を認識し、社内IT部門の強化が図られています。従来、ITベンダーにITシステムの開発を外部委託していた企業も、各社の行っている事業と強く結びつくDXの実現に向けては社内の体制を強化しています。これにより、柔軟かつ素早い対応が実現できます。ITベンダー以外の企業でもIT人材が必要とされているということは、システムエンジニアにとって需要が増加し、転職の選択肢が増えることになります。
AIなどの最先端技術の普及
最も将来性が高いと考えられているのは、最先端技術を扱うシステムエンジニアです。現在ではAIやIoT、ビッグデータなどの領域が最先端技術とされており、今後も新しい領域が生まれてくることでしょう。IT業界は常に進んでおり、常々、最先端技術を扱えるシステムエンジニアが求められています。
今後の需要を想定しても、先端技術者を目指すことはメリットが多いでしょう。
システムエンジニア（SE）5つのキャリアパス
スペシャリスト
スペシャリストとはある一つの分野において高度な専門性を持つ人材のことです。特定の分野について深い知識や経験を有している人材は、多様な分野に対応できるため現場で重宝されます。スペシャリストでないとクリアできない難易度の高い案件や対応が難しい業務などが任せられることも珍しくありません。
スペシャリストは主に、ITスペシャリスト、最高技術責任者(CTO)を指します。スペシャリストは他分野のエンジニアと協力して、システムの完成を目指します。
ゼネラリスト
ゼネラリストとは、システムの開発および運用を得意とする技術者です。主に、フルスタックエンジニアと称されることもあります。ゼネラリストが担う役割は多岐に及び、フロントエンド開発、バックエンド開発、モバイルアプリ開発、インフラ周りの全てを担当します。また、ゼネラリストにはシステム開発やWeb開発などの設計・開発・運用の工程をこなせることが期待されています。
マネジメント
マネジメントは、システムやアプリの開発分野においてプロジェクトの責任を負う役割を持ちます。主にプロジェクトマネージャー、管理職です。業務としてはクライアント企業とのやりとりやシステム開発の計画、プロジェクトメンバーの選定、スケジュール管理や予算管理を行います。
自身が持つチームマネジメント業務が中心でシステム開発はメンバーに任せることがほとんどです。周囲をリードしていく立場にあるため、システム開発の知識やスキル、現場経験に加えて人間力やコミュニケーション力が特に必要となる立場です。
コンサルタント
企業の問題や情報を収集できるエンジニアとしての経験を積んだ後に問題解決を行うコンサルタントにキャリアチェンジ転職する人も多いです。ITアーキテクトは、企業の経営戦略を踏まえた上でWebシステムの設計を行います。業務を行う上で、IT知識だけでなく企業経営に関する知識も必須です。
ITアーキテクトは将来的な経営を左右する業務を担当する重要な役割を持ちます。ITコンサルタントは、クライアントが抱える悩みや問題をヒアリングし、どのようなシステムを導入するか、システム改修をするかなど、課題解決のための提案を行います。IT戦略の策定から新システム導入の提案、システムの動作検証など業務範囲は多岐にわたります。
フリーランスで独立
企業に雇用される形でシステムエンジニアとしての経験を積み、フリーランスで独立する方もいます。自分の能力次第で職種を随時変更できるため、特定のキャリアパスに定まることがありません。
しかし、フリーランスはエンジニアとして十分なスキルを持っていることが前提で、さらに加えて営業やスケジュール管理、経理作業まで自己管理する必要があります。自己管理能力が低いと勤まらないですが、自由度や報酬面にアドバンテージがあるキャリアです。
フリーランスとして独立する場合は、メリットやデメリットを把握した上で検討しましょう。
システムエンジニア（SE）の適正がある人の特徴
論理的に物事を考える
システムエンジニアに限らず、IT業界の職種では論理的思考が求められます。全ての事象に対して、どのようなことを根拠にして設計をするのかなどの点を問われます。物事の法則を理解して、順序立てて導き出せる論理的思考力があればシステムエンジニアに向いているでしょう。
学習意欲が高い
IT業界では日々新しい情報や技術が産まれています。そのため、定期的に知識をアップデートすることが必要です。自ら専門分野の最先端知識を吸収していく意欲が必要です。
少なくても、業務で利用しているプログラム言語などのアップデート情報には常にアンテナを張って、変更点などを学習しておかなくてはなりません。
変化への適応力がある
IT業界は、トレンドもあります。そのため、従来までは標準となっていたものがいつの間にか古くなり、新しく生まれた手法が標準になっていることも珍しくありません。このような環境の変化に柔軟に適応できる力が必要です。”
システムエンジニア（SE）に必要なスキル
システムエンジニアになるために必須な資格というものはなく、採用担当者に評価されるのは実務経験とスキルになります。どんなスキルを習得しているといいのか詳しく解説します。
プログラミングスキル
プログラミングスキルは、プログラミングに関する技術的なスキルです。システムエンジニアの仕事はシステム開発であり、プログラミングスキルがなければシステムエンジニアとして仕事できません。携わる案件によって習得すべき言語は異なります。
需要が高いプログラム言語をいえば、Java、PHP、Python、Rubyなど日本では長期に渡り人気です。
ただし、システムエンジニアになってもプログラマーとして実装するケースも多く、SEとPGを兼務しているプロジェクトも多数ありますが、注意しないとSE業務が圧迫されてしまうことにもなりかねないので注意が必要です。
マネジメントスキル
システムエンジニアはシステム開発の現場において、複数人のプログラマーを束ねるリーダー的な役割を果たすことがあります。そのため、最低限のマネジメントスキルが求められます。スケジュール管理、開発メンバーやクライアントとの調整などです。
また、システムエンジニアのキャリアパスとしてPM（プロジェクトマネージャー）も考えられますので、マネジメントスキルを磨いておくことは重要です。
コミュニケーション能力
システムエンジニアにとって、対人コミュニケーションは必須で重要なスキルです。上流工程である要件定義や外部設計などは要件を引き出すためのコミュニケーション能力が長けていないと難しいでしょう。
また、顧客折衝やチームメンバーと接する際、一定レベルのコミュニケーションスキルがなければ、円滑に進まず仕事に支障をきたします。
問題解決能力
システムエンジニアの仕事は問題解決の方法を見つけることの繰り返しです。そもそもシステム開発自体が顧客の問題をシステムで解決するために行うものだからです。都度必要なヒアリングや提案を行い、仕様書や設計書、システムに落とし込みます。
システムエンジニア（SE）の会社選びで失敗しない3つのポイント
給与は納得できるか
成長できる環境が整えられているとはいえ、膨大な残業時間で年収300万円という待遇では働きたいと感じないでしょう。スキルアップの一環として転職する場合は前職よりも高い給与で転職することも可能です。人や環境を重視するのも大切ですが、満足する環境で続けていくためには給与面も見ておく必要があります。
目標とするエンジニアがいるか
自分が働く環境に、目標にできるエンジニアがいるかどうかも確認しておきましょう。これは、自分の成長につながります。上には上がいる精神の下、現状に満足せず高みを目指していくエンジニアが理想です。
裁量権があるか
上司からの指示だけでなく、なるべく自らの判断や考えのもと、行動できる環境が理想です。それぞれが仕事に対して何を期待しているかはさまざまですが、今後もエンジニアとしてのキャリアを考えているのであれば、裁量権がある会社を選びましょう。
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プログラマーからキャリアを形成するためには、ほとんどの人がシステムエンジニアへのキャリア経験を積んでから進む人が多いです。システムエンジニアになれば、年収アップも期待でき、顧客とのコミュニケーションをとる機会も多く、その先のキャリアにつながる経験が積めます。
逆に言えば、全くの未経験の人がシステムエンジニアにいきなりなるのは、かなり難しいと言わざるを得ません。少なくてもプログラミング言語の知識は必要で、理解しているからこそ設計ができるということになります。
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