AI（人工知能）やクラウド化といった先端技術の進歩は歩みを止めることがない現代、IT技術で世の中の仕組みを作るITエンジニアの需要は右肩上がりです。
ITエンジニアとして今後キャリアアップを目指す方の中には、転職活動で応募企業に提出する履歴書の、志望動機欄にどのような内容を書いたらよいか悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、キャリアアップを目指すシステムエンジニアの方が、希望通りの転職を叶えられる志望動機の書き方、志望動機記載時の注意点をわかりやすくお伝えします。
具体的な志望動機の書き方を例文付きでご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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Contents
ITエンジニアがアピールするべきスキル
ITエンジニアは技術職であり、求められる適性があります。転職活動する上で、自身の適性をアピールすることは採用へのカギとなるでしょう。ここでは、具体的なITエンジニアに求められる適性を3つ解説させていただきます。
プログラミングスキル
プログラミングができないとITエンジニアとして仕事をするのは難しいです。ただ、企業ごとの業務により用いるプログラミング言語・開発環境は異なります。応募企業に求められる開発言語スキルは何かを把握し、そのスキルをアピールするようにしてください。
またITエンジニアは、プログラミングに必須の論理的思考は大前提として求められます。ご自身に論理的な思考力があるかを確認するにためには、打ち合わせなどの場においても論理的思考を発揮して話を組み立て、説明できているかを1つの判断基準としていただくことをお勧めします。
ITや最新の技術への興味・関心
新しい技術分野に飽くなき好奇心を持ち、積極的に追及する姿勢があることをアピールすることも転職を成功させるカギです。
例えばAIの進化に伴い、「エンジニアの仕事はAIに代替される可能性がある」と言われるようになりました。大きな話題を集めたChatGPTのように、AIがプログラミングを行う未来はすぐそこまで来ていると戦々恐々としているエンジニアも少なくないかもしれません。
ですが、今求められているのは「AIという新しい技術を、実際に社会的に活用するためのシステム開発ができるエンジニア」ではないでしょうか。このように、最新の情報をキャッチアップし、将来へどうつなげていくかを適切に判断できる人材が求められているとも考えられるでしょう。
コミュニケーション能力
ITエンジニアの業務は、一般的にチームやプロジェクト単位で行われます。業務を円滑に進めるには、コミュニケーション力は必須です。IT企業は一匹オオカミ的な人材の巣窟だと誤解されている方もいらっしゃいますが、実際の現場ではコミュニケーション力必須で業務が遂行されています。
対面で会話をするコミュニケーションだけでなく、リモートワークの普及によるチャットツールを用いたテキストコミュニケーション、ZOOMなどのオンライン会議によるオンラインコミュニケーションなど使うことも多くあります。こうした場に応じて柔軟にコミュニケーションがとれる、ということも重要です。
クライアント企業の担当者とのやりとりも多いため、コミュニケーション能力は非常に重要視されているのです。
ITエンジニアの志望動機の作り方
ITエンジニアとして希望通りの転職を実現する、志望動機の書き方のポイントをお伝えします。
なぜその業界を志望するのか
「なぜこの業界を志望したか」をアピールし、採用するメリットがあることを理解してもらうことは重要です。
そのためには「この業界で自分が活かせる経験とは何か」を掘り起こし、わかりやすくまとめてみましょう。難しく感じるのであれば、これまでの経験・スキルを棚卸してみることから始めてください。
棚卸して自分を深堀し、転職希望の企業でどう役立てられるのかという部分をアピール材料にしましょう。特にアピールすると効果的なのは、エンジニアとしての技術力はもちろんですが、マネジメント・コミュニケーション能力のほか、これまでの現場経験です。
あわせてアピールするノウハウ・スキルにあった資格を取得している場合は、これも積極的にアピールしてください。例えば、ITエンジニアとして求められるスキルの1つである、「ミスの許されない業務を担当していた」ということも、システム開発に活かせるスキルとしてアピールできます。
なぜその企業を選んだのか
「なぜこの会社を選んだか」は他の転職希望者との差別化にもつながりやすい志望動機なので、ぜひ有効なアピールとして活用しましょう。
同じ業界のほかの企業ではならないと考えた理由、転職希望企業ならでは希望理由などを伝えられると好印象です。あわせて、「転職希望企業に入社した後何がしたいのか、どのように仕事をしたいのか」もアピールすると良いでしょう。
ITエンジニアとして何をしたいか
エンジニアとしてのキャリアパスをどのように思い描いているのかを深堀して、志望動機にまとめましょう。
業界経験者であれば、これまでの経験から自分の強みをリストアップし、今後に繋げていくための原動力となる部分と、足りない部分を「この会社だからこそそこも習得・経験できる」という点につなげるとアピールしやすいでしょう。
業界未経験からの転職の場合は、今後数年のキャリアビジョンをわかりやすくまとめ、転職希望企業でなけれなばならない志望理由へと昇華できるとアピール材料として好印象になります。
ITエンジニアの志望動機 要注意ワード
志望動機を作成する際に避けておくべき要注意なワード・表現についてもチェックしましょう。
「（御社で従事すれば〇〇の）スキルが身に付く」
転職希望企業が求めているのは、「自社に貢献してくれるであろう人材」です。結果的に自社で従事しスキルアップすることがあるとはいえ、スキルアップ目的の人材とわかって採用するケースは少ないでしょう。
「（自身が）成長できる」
企業が採用する人材に求めているのは個人としての成長、そのものではありません。あくまで「自社に貢献し、どれだけ企業力を高めてくれる人材か」を見ているものと認識しておくと良いでしょう。
「私を採用したらこのような貢献ができますよ」ということを伝えられるようにしましょう。
「御社の企業理念に共感した」
この表現をこのまま使っている場合は、他の志望者との差別化に失敗している典型例となってしまいます。書き方を変え、具体的にどのような部分に共感したのか、それを実際のシーンとして表現できるような書き方を意識してください。
例えば「御社のSDGsへの取り組みに共感しました」と書くよりも、「普段から環境問題を強く意識して生活しており、海岸クリーン作戦などにも可能な限りボランティアで参加しています。仕事の面でも御社で従事できればより環境問題にも貢献できると感じています。また、そうした取り組みを積極的に推進したいと考えています。」と書いたほうがより熱意が伝わるでしょう。
【職種別】ITエンジニアの志望動機 アピールポイント
職種別に志望動機の例文をご紹介します。
システムエンジニア（SE）／プログラマ
未経験者の場合
新卒で入社し2年間、法人営業の業務に従事してきました。お客様に提案し価値をご提供できるこの仕事には、やりがいを感じています。ですがエンジニアとしてシステム開発する夢があり、大学では情報工学を専攻していました。趣味としてスマートフォンアプリを作成し、β版を公開し〇〇ダウンロードを実現しました。近年御社のリリースされたスマートフォンアプリやゲームは評価も高く、風通しの良い社風ならではの良いモノづくりを実現されているのだと感じたことが、貴社を志望させていただいた理由です。
経験者の場合
前職では保険会社や証券会社の業務系システムの開発で、プログラマとして約1年、SEとして約2年経験してまいりました。1年前からはチームリーダーとしてメンバーの管理もしており、マネジメントスキルの向上も図っています。
これまで担当したのは大規模システムが主で、基本設計より上流の工程はを担当することが難しく、上を目指すには転職するのが良いという考えに至りました。
PM・PMOという立ち位置を目指すうえでは上流工程の経験が欠かせず、貴社では大規模開発のプライム案件の比率が高いこと、成長意欲の高いエンジニアが集まっているという点が魅力的でした。 要件定義や基本設計から開発・実装までを担当させていただきたいと考え、御社を志望しました。
社内SE
社内SEとしての転職を希望される場合は、以下の例文をご参考ください。
未経験者の場合
ベンダーでさまざまな企業のインフラ整備業務を手掛けてきました。お客様の目的に沿って、利用しやすく安心して運用できる環境構築することにやりがいを感じています。今後のキャリアビジョンとして、実際の運用開始後の効果検証も含めてより、お客様に近い立ち位置での業務に携わりたいと考え、御社への入社を志望しました。環境構築スキルを活かし、ユーザーの利便性を向上させられると自負しております。
経験者の場合
保険会社の社内SEとして、既存システムのメンテナンス・改修を経験してきました。今後はIT投資に積極的な環境で、運用保守に限らず、新しい技術の導入も経験し業務改善できればと考え転職活動しておりました。
貴社の事業拡大に、これまでの運用保守経験と、日ごろから興味を持っている最新技術の知識を生かしていけると考え、御社への入社を志望しました。
Webエンジニア
Webエンジニアとしての転職を希望される場合の例文もご覧ください。
未経験者の場合
システムインテグレーターでの営業を経験する中で、開発技術に関心を覚えました。自身も技術スキルを習得しサービス開発で、世の中に価値を届けられるエンジニアとして従事したい考えから転職活動を開始しました。貴社におけるサービスの価値への考え方、ミッションビジョンを拝見し、転職するならここしかないと魅力を感じて応募いたしました。営業で培ってきた調整力・交渉力・コミュニケーション能力をフル活用し、またプライベートで得てきた開発技術の知識も、貴社のサービス拡大に活かせるものと考えております。
経験者の場合
社内システム開発で要件定義から運用まで、一貫した業務を経験してきました。今後は顧客に直接価値を提供できるサービス開発に携わりたいという想いが強くなり、転職を決意した次第です。貴社の掲げるサービスビジョン、toC向けのサービスを提供されていらっしゃることを拝見し、これまで得てきた経験・スキルを活かし、自身の思い描くキャリアビジョンをかなえられる企業様であると感じ、応募させていただきました。既存サービスの改修で得てきた知識と経験を活かし、新規システム開発でも力を発揮し御社の事業拡大を下支えできると自負しております。
サーバ・DBエンジニア
サーバー・DBエンジニアとして転職を考えていらっしゃる場合の例文もご紹介します。
未経験者の場合
学生の時分より情報工学に興味を持ち、企業の管理システムネットワーク化の重要性については現在の仕事で強く実感しています。今の業務は法人向けPC・関連ツールの営業販売ですが、お客様の抱える課題解決に最適な情報を入手し、ご提供しつつ営業しています。今後はお客様に寄り添える環境を自分で提供する立場で仕事をしたいと考え、転職を決意いたしました。自宅にもLinuxサーバを構築し、休日にはクラウドサーバ構築セミナーに通い、技術習得を目指しています。御社のお客様に寄り添った環境構築サービスであれば、私の思う働き方を、これまでの経験・知識も活かしより高い水準で実現できると感じ応募させていただきました。
経験者の場合
客先常駐でシステムの運用管理・保守・サポート案件を行っています。お客様の要望やトラブルに対応する中で、根本的な解決を提供できるエンジニアとして従事したいと考え、転職活動を開始しました。
プライムベンダーとして上流工程から携われる案件を多く抱えていらっしゃる御社で、自分の得意としているサーバー・データベースの運用知識を活かし、一貫してお客様に寄り添えるエンジニアとして御社の事業発展に尽力したい・できると考え応募させていただきます。
プロジェクトマネジャー
プロジェクトマネージャー（PM）職として転職を希望される場合の例文もご覧下さい。
未経験者の場合
金融業界を中心に営業支援システム開発に携わってまいりました。小規模プロジェクトではありますが、開発チームリーダーとしてメンバーのサポート・スケジューリングといったマネジメント業務に大きなやりがいを感じ、ステップアップしたいと考え転職活動しております。
貴社のキャッシュレス決済システム開発では、新しい仕組みを構築し新しい価値の提供を実現されていらっしゃいました。
私自身、そうした仕事でより大きなやりがいを感じてみたいと強く感銘を受け、これまでのチームリーダーとして得た知識と経験を活かし、より広範囲なマネジメント業務に従事し、御社の事業拡大に貢献したいと考え応募させていただきました。
経験者の場合
現在大規模プロジェクトで、パートナー企業のメンバーも含めたプロジェクト進行管理に携わっております。今の仕事にもやりがいを感じてはいるものの、顧客の課題抽出を含めた上流工程からの経験ができる環境ではなく、より広井範囲でのPMとしての仕事をしたいと考え転職活動を開始しました。
これまでの経験・スキルを活かしながら、御社ではより広く顧客との直接的な折衝も含めたマネジメント業務に携われらせていただけると考え、応募させていただく次第です。
ネットワークエンジニア
セキュリティ意識や効率性、運用の専門性など
未経験者の場合
人材派遣会社で法人営業を2年間経験してきました。Webに強い関心があり、プライベートで複数のサイトを運営しております。その中でレンタルサーバーは便利ではあるものの、物足りなさを感じLinuxサーバーを立ち上げ、サーバ・ネットワーク環境の構築で顧客に価値を提供したいと考えたのが、転職志望のきっかけです。入社後に早期に業務で貢献できるよう、Hadoopや仮想化技術も独学で習得を目指しています。業務経験のない自身にとって、未経験者への教育制度を充実されている御社に強い魅力を感じ、応募させていただく次第です。
経験者の場合
ネットワークの運用・監視を中心として、3年間エンジニアとして従事しております。
ネットワーク機器・サーバーの設定変更・運用資料作成・障害発生時の一時切り分けが主な業務ですが、設計・構築に携わる機会が得られない現状から脱却し、ステップアップしたいと考え転職活動を開始しました。
貴社では大規模案件も多数抱えていらっしゃり、要件定義から一貫した対応ができること、また優秀なエンジニアが多数在籍している環境があるという点に強く魅力を感じております。
昨年CCNPを取得し、現在はCCIE取得に向け勉強しております。コミュニケーション能力と技術力の向上も目指し、御社の事業に貢献できるエンジニアになりたいと考え応募させていただきました。
未経験者がITエンジニアの志望動機を書く場合
未経験からITエンジニアとして転職を希望する場合には、「転職先企業への興味・魅力をどこに感じているのか」とあわせ、「どれだけ熱意・意欲を持って貢献できるエンジニアになろうとしているのか」を伝えられる志望動機を作成するのがコツです。
なぜ異業種からこの業界を選んだのか、自身がIT業界・転職先企業にどのような適正があるのかもわかりやすくアピールしましょう。そのために企業研究・業界研究は欠かせず、プログラミングや運用保守に必要なスキルの習得も積極的に行い、アピール材料とできるよう準備して転職活動してください。
これまでの経験をどうエンジニアとして活かすか
どのような仕事をこれまでしてきたのか、どういった想いを持って従事してきたのか、これまでの経験がなぜIT業界・転職先企業で活かせるのかを書きましょう。
入社後の企業側のメリット
未経験者を採用するのは企業にとって、教育コストもかかるためデメリットになるのはまぎれもない事実です。それを踏まえ、自分を採用した企業にどのようなメリットがあるのか、をアピールすることが重要です。
ITエンジニアの志望動機には自己分析と客観的視点が必要
ITエンジニアへの転職を希望する場合の志望動機を書くにあたり、企業研究や業界研究と合わせ、客観的視点に立ち自己分析することも重要です。
似たり寄ったりな志望動機にならないよう、自分の考え・想いを自分の言葉でまとめることも大切なポイント。志望動機はあなたのことを転職希望する企業にアピールする最初のステップです。
志望動機がうまくまとまらない場合には、キャリアアドバイザーや転職エージェントの転職サポートを受けることも視野に入れると、スムーズに企業に受ける志望動機がまとまります。
