かつては「きつい・厳しい・帰れない」のいわゆる「3K」と言われてきたITエンジニア(プログラマー)ですが、働き方改革や人手不足を背景に、その扱いは近年大きく変化しました。
ブラック企業の代名詞として扱われていたのも今は昔、比較にならないほど働きやすい環境が整いつつあります。
このようななか増えているのが、女性プログラマーです。女性にとって結婚や妊娠・出産、育児はしばしば仕事上の障壁となりますが、近年は女性のライフイベントに合わせて柔軟に働けるIT企業も増えています。
「女性はプログラマーに不向き」とも言われていましたが、プログラマーは男女関係なく能力を発揮できる仕事です。「女性だから」という理由でプログラマーになるのを諦める必要はありません。
この記事では、「女性だからプログラマーになれない」という話を鵜呑みにする人がないように、女性プログラマーのメリットや働く上でのポイントなどについて詳しくご紹介します。
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Contents
女性プログラマーの転職が活性化している
働き方や考え方が多様化するなか、仕事にライフスタイルを合わせるのではなく、ライフスタイルに仕事を合わせた働き方を志向する人が増えています。
なかでも女性は、結婚や出産、育児などのタイミングによってキャリアデザインが異なるため、より柔軟な働き方を希望する傾向にあります。
このような女性のニーズを満たす柔軟性のある働き方を実現できる職種こそ、プログラマーです。いま、女性プログラマーへ転職を希望する人は右肩上がりで増加しています。
転職サイト「女の転職type」で行われた調査によると、2021年における女性IT技術職の転職求人倍率は1.66%となっており、女性プログラマーや女性エンジニアの採用ニーズは高い状況が続いています。
女性がプログラマーに向かないという偏見
かつてのIT技術職の現場は「きつい・厳しい・帰れない」の3K職場と言われており、エンジニアやプログラマーは「女性に向かない職種」とされてきました。
また、技術職であるプログラマーには論理的思考が必要なこと、女性に理系出身者が少なかったこと、結婚・出産して退職する女性が多かったことも、「女性がプログラマーに向かない」という偏見に繋がったと考えられます。
しかし現代ではIT技術職でも働き方改革が進み、かつてのようなブラック環境は減少しつつあります。また、進路やキャリアデザインも多様化するなか、男性・女性の区別に関係なくプログラマーを目指すことが普通の時代となったのです。
女性にプログラマーがおすすめな理由
ここで、女性にプログラマーがおすすめと言える理由についてご紹介します。
手に職がつく仕事
女性にプログラマーをおすすめする第一の理由は、何と言っても「手に職がつく」ことです。
IT技術が発展し、あらゆるものがインターネットによって繋がる現代において、プログラミングスキルなどを有しているプログラマーやエンジニアの存在は必要不可欠と言えます。
このように手に職がつくプログラマーだからこそ、多くの職場にとって需要が高く、転職で目指す人が増えているのです。
性別によるハンデがない
かつては「女性には向かない」と言われたプログラマーですが、実際には性別によるハンデはないと言っても過言ではありません。
プログラマーやIT技術職は完全実力主義の世界であり、能力が高ければ男性・女性関係なく上を目指せる環境が整っているのです。
IT業界の深刻な人手不足
IT業界は現在深刻な人材不足にあり、経済産業省が2019年に公表した調査によると、最悪のケースとして「2030年までに最大で最大で約79万人のIT人材が不足する」と指摘されています。
また、新型コロナ禍を受けてDX(デジタルトランスフォーメーション)も加速するなか、国や各企業でIT人材を育成する取り組みが進められていますが、なかなか追いついていない実情があります。
このような人手不足を受けて、プログラマーやITエンジニア職では超売り手市場が続いており、いま女性がプログラマーとして参入することには大きな意義があります。
コミュニケーション力が活かせる
一般的に女性のコミュニケーションは「共感型」であり、会話の中で相手に共感され、自身も共感することを重視する傾向にあります。
このような共感力はビジネスの現場において役立つシーンが多く、女性プログラマーがIT現場のコミュニケーションを円滑にする効果が期待できるのです。
家庭との両立が可能
プログラマーはプログラミングをするのが主な仕事なので、多くの時間を一人でこなすことになります。
このような仕事柄、プログラマーはリモートワークとの相性が良く、家庭との両立も無理なくできるのが魅力です。通勤時間を考えなくて済むので、子どもの送り迎えや家事の時間なども比較的柔軟に考えられます。
女性プログラマーの年収事情とは?
厚生労働省が毎年行っている「賃金構造基本統計調査」によると、2021年のプログラマー全体の平均月収は353,300円です。年収に換算すると、賞与などを含めたプログラマーの年収は約523万円(※1)になります。
男女別の月収では、男性が363,100円、女性が307,600円となり、年収に換算すると男性は約538.7万円(※2)、女性は449.6万円(※3)となります。
全職種の平均月収は男女合わせて307,400円、男性が33,7200円、女性が25,3600円であることから、女性プログラマーの賃金が平均より高い水準であることが分かります。
※1 353,300×12ヶ月+賞与990,100円
※2 363,100×12ヶ月+賞与1,029,800円
※3 307,600×12ヶ月+賞与805,000円
参考:令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種|厚生労働省
なお、職業における賃金のジェンダーギャップは全職種に共通するものであり、この格差是正は今後の大きな課題と言えます。
フリーランスで働いた場合の年収
ランサーズの「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」によると、ITエンジニアの平均年間報酬は「士業」「経営・企画職」に次ぐ255.7万円となっています。
参考:新・フリーランス実態調査 2021-2022年版|ランサーズ
なお、この調査の対象には副業や兼業、単発ワーカーなども含まれており、専業フリーランスのプログラマーやITエンジニアであれば、これより多い年収が見込めます。
また、マネジメントなどのスキルがある人は、さらに上の収入を目指すことも可能でしょう。
女性プログラマーが転職する際のポイント
女性プログラマーが転職する際には、どのようなことに気をつけなければならないのでしょうか。転職の際のポイントについて見ていきましょう。
男女の扱いに差がないか
男女の違いによる待遇や賃金の格差は近年是正されつつありますが、依然として女性を不当に低く扱う企業体質のところも存在します。
女性がプログラマーとして転職する際には、このような不当な扱いの差がないかどうかをしっかり確認しましょう。
労働時間や休日設定に問題はないか
フレキシブルに働けることが魅力でプログラマーになったのに、実際にはあまり変化がないようでは転職の意味がありません。
女性がプログラマーとして転職を考える場合には、ライフスタイルと働き方がマッチしているか、適切な労働時間が管理されている会社化、休日は適切に取れるかを確認することも大切です。
結婚や育児に対しての理解・実績はあるか
女性は結婚や出産、育児という大きなライフイベントによって、働き方が大きく変わるものです。転職を考えている職場が、そのような女性特有の事情をしっかり考慮してくれるところかどうかを確認しましょう。
産前・産後休暇や育児休暇が制度としてはあっても、実際には守られていないケースもあります。そのため、女性プログラマーが休暇を取得した実績があるかどうかも、併せて確認しておくとよいでしょう。
女性が管理職に就いている実績がどれくらいか
女性管理職がいるかどうかは、企業が女性に対してどのような考え方を持っているかが分かるポイントです。
転職を考えている会社に女性管理職がいるか、過去に女性管理職がいた実績があるかを確認しましょう。
これから女性プログラマーを目指す場合
これから女性プログラマーを目指したいと考えているなら、まずプログラミングスキルの習得から始めましょう。
プログラミングスキルは、「独学」あるいは「プログラミングスクール」いずれかで習得できます。また、未経験者OKの求人に応募して、現場で必要なスキルを習得するという方法もあります。
独学でプログラミングスキルを身につける
独学でプログラミングを学ぶ場合、金銭的負担が少ないこと、自分のペースで進められることがメリットです。
一方で、学習管理をすべて自分で行わなければならず、モチベーションを保ちにくく挫折しやすいことがデメリットとして挙げられます。
スクールでプログラミングを学ぶ
プログラミングスクールでスキル習得を目指す場合、短期間で効率的に学習を進められる
こと、分からないことをすぐ質問できることがメリットです。
他方、スクール通学には金銭的負担が大きい点がデメリットと言えるでしょう。
未経験者OKの求人を探す
IT人材不足が叫ばれるなか、未経験でも意欲のある人を採用したいという企業もあり、そのような求人に応募することで未経験であっても女性プログラマーになれることもあります。
ただし、まったくの未経験からのスキル習得には相当な努力と時間が必要であり、実際に女性プログラマーとして活躍できるようになるまでには数年かかることを覚悟しておかなければなりません。
まとめ
プログラマーは、「女性だから」というハンデがほとんどない仕事であることをご理解いただけたのではないでしょうか。
女性プログラマーとしてのプログラミングスキルや開発実績があれば、転職の際に有利です。副業として、時間にとらわれず在宅ワークとして働くことも可能になるでしょう。
深刻なIT人材不足が叫ばれるなか、女性としてプログラマーへ転職する価値は非常に大きいと言えます。年収アップはもちろん、働く環境が整っているケースも多く、家事や育児などと両立した多様な働き方が実現できるのです。
自由度の高い女性プログラマーという働き方によって、仕事もプライベートも両立した新しいキャリア形成を始めてみてはいかがでしょうか。