新型コロナウイルスの感染拡大を請け、日本でもゴールデンウィーク明けまで”全国的な緊急事態宣言”を発令し、必要に迫られる形で「働き方改革」で推奨されてきたテレワークが”必要不可欠”な状態になりました。
テレワークで活躍するWEBシステム技術を提供するIT業界も例にもれず、多くの企業がテレワークを始めています。中には自社内でのテレワーク環境を整えるだけでなく、社会的に必要とされるノウハウやシステムを無償提供するなどの動きも広がっています。「IT企業としてできる事とは何か」を考えさせられることも多いのではないでしょうか。
ここでは大手SIer系IT企業で行われているコロナ対策はどのようなものがあるのか、公式ぺージのニュースリリースからまとめてみましたので参考にしてみてください。
Contents
大手IT企業の施策
株式会社NTTデータ
2月の時点で協働者1名にコロナ感染者が発生した大手SIer系IT企業NTTデータは先陣を切る形で20万人の従業員へのテレワークを推奨しました。
・テレワーク・オンライン会議の積極活用
・時差出勤
・中国方面への渡航は原則禁止
・出向・出張している従業員への早期帰国を促した
・上長との認識を合わせやすくするため「1on1ミーティング」も積極活用
富士通株式会社
・国内外問わず出張を原則禁止
・在宅が不可能な職種については必要最小限での出勤と感染防止策を徹底
・社内教育・採用活動・主催イベントは原則ウェブ上での活動に切り替え
・10日の特別休暇を全社員に付与
・小学生以下の子供がいるもしくは介護が必要で勤務が困難な社員に対し家族支援休暇を付与
・仮想デスクトップサービス「V-DaaS」の初期費・利用料3か月間無料提供
・小中学生へのプログラミング学習コンテンツ無償提供
IBM株式会社
・海外出張の禁止
・国内の出張も原則5/6まで禁止
・顧客先へ出向く場合には客先の防止策の遵守
・原則リモート勤務可能な仕組みを提供したうえで在宅勤務
・やむをえず出勤する場合ソーシャルディスタンスと三密回避を徹底
・50名以上参加するイベント・会議は不参加、ウェブへの切り替えもしくは延期
株式会社 日立製作所
・在宅達成率を公表
・4/17時点の在宅率は84%
・生産拠点は経済社会活動を維持できる範囲で稼働しながら稼働継続可否を判断
日本マイクロソフト
・教育機関向け支援
・リモートワーク支援
・技術支援
・AI for Healthを活用して、コロナウイルスの研究機関などをサポート
・MFA(多要素認証)・OneDriveの活用、Teamsを活用したWEBミーティングを普段から取り入れていたことを発表
・コロナウイルスに関する研究や医療面での様々なデータ分析(病院のリソース配分など)、2020年1月29日にスタートしたAI for Healthを活用して、コロナウイルスの研究機関などをサポート。
野村総研
・社内外コミュニケーションには原則WEB会議を取り入れ
・急速に進むWEB社会に適応するための各種支援
大手SIer系IT企業でもある野村総研では今回の新型コロナウイルス対策として、NRIグループからの提言という形で情報発信しています。
WEB社会に適応するための各種支援としては、上記サイトにて「学び方改革」「働き方・暮らし方改革」といったテーマの情報が提供もされています。
日本ヒューレットパッカード(HP)
・急速に進展する状況を精査するフレームワークを確立
・全社員へテレワークを要請し緊急事態宣言対象地域のオフィスを閉鎖
・必要不可欠な場合のみ上長の許可を得て出社可能とする
・必要に応じたカスタマーサポートをリモートで行う環境を整えた
・会議・イベント・セミナーはオンライン形式に切り替え、もしくは中止
・イタリアの病院船として改装したフェリーに400名の患者収容環境を整える為のWiFi環境整備
・ホワイトハウス主催のCOVD-19パンデミック対策の取り組みへの協力
・独自AIによるコロナ関連の学術研究への貢献
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
・全ての社員(契約社員・委託先社員・派遣社員など含む)に在宅勤務を要請
・必要不可欠な出勤は上長の許可を得て可能とする
・出勤時には時差出勤や時間単位有給を活用し満員電車を避けるよう指示
・4/9に発生した際も、自社内でコロナウイルス陽性が判明した人物について、個人情報を保護しながら注意喚起できる情報を公示
NEC
・日本国内で勤務するすべての社員に対し在宅勤務を要請
・社会的機能を担うために必要不可欠な場合のみ安全に作業できる環境を整え出勤可能とする
・発熱時(37.5度以上)の出勤禁止
・事業継続のサポートの為、NECのテレワークソリューション配信サイトを開設
大手SIer系IT企業のコロナ対策まとめ
大手IT企業で実施されているコロナ対策をご紹介してきました。
テレワークはこちらで紹介した全ての企業で導入され、出勤せざるを得ない場合にも時差出勤など社員の感染リスクを徹底的に下げる行動をとるよう社員へ要請していました。
ここで紹介していない大和総研や日本総研など、自社内ではなく客先常駐が多い大手IT企業ではまだ全ての社員へのテレワーク導入ができない事情があるケースも見受けられます。
これはIT企業に限ったことではなく、社会全体の課題ともなっている部分。
『社会の課題を解決することができるのもまたIT技術である』
ということで需要が拡大している背景を踏まえると、 ”急きょテレワークに切り替える企業からのニーズに対応せざるを得ない” という事情もあるでしょう。
経済活動を完全に止めてしまう事への懸念も社会全体として残されている今、IT業界として社会にできる事とは何か、ということを追求する事も必要であり、新たなビジネスシーンを模索することにもつながるのではないでしょうか。
こちらで紹介してきた大手SIer系IT企業の中にも、社員を守りつつ社会貢献になる活動に注力している企業もあります。テレワークを安全かつシームレスに実施するための環境整備や、テレワークを急きょ導入せざるを得なくなった企業への導入支援で多くの企業をサポートしている事実。
そして企業だけでなく、医療現場・コロナの収束に向かうために欠かせない学術研究に携わる現場への技術支援。
臨時休校で学習の場が失われた子供達への教育支援など、IT企業ならではのやり方で支援の輪を広げている姿を見ると、「この仕事をしている意味」を改めて考えさせらるという方もいるでしょう。
『御社でできうる最良のコロナ対策』は何があるか、ここでの情報を参考にしながら検討していただければ幸いです。