初めて会社を退職するとき、長く努めた会社を退職するとき、どのように手続きをすればいいかわからなかったり、覚えていなかったりで不安ですよね。
ましてや、転職手続きもあったりと、退職する会社のことばかり考えていられないのが現実です。
また、既に気持ちは転職先のことで頭がいっぱいで、最終出社日を過ぎてから会社に行くことは割けたいところです。
しかし、返却物を退職手続きのときに持ち合わせておらず、後日会社に返却しなければならないと言われると面倒です。
また、退職した後の何の手続きが必要となるのかも知らないと不安になると思います。そこで、退職のとき返却するもの、受け取るもののチェックリストを作成しました。
各項目についての解説と、その後必要な手続きについてもまとめてご紹介するので、そちらもご確認ください。
転職して新たな企業に勤めることに気持ちを切り替えるためにも残務が無いようにすることは大切です。
■□■□プログラマーなどITエンジニアを目指しているならIT業界専門転職サイト「Javaキャリ」が最適!完全無料の会員登録はこちらから■□■□
Contents
退職手続きチェックリスト
退職時に必要な手続きや書類などをやることをチェックリストにまとめました。不足がないように対応して、スムーズに退職手続きを行い、転職後の準備に集中しましょう。
※項目の後ろに★がついているものは、後日自分で手続きが必要となる可能性があります。
返却するもの |
健康保険被保険者証★ |
社員証など、社員であることを証明するもの |
名刺 |
通勤定期券 |
会社から支給された備品など |
-社内システムなどのパスワード |
- 会社のメールアドレスで登録したサービス |
- BYOD、シャドーITのデータ |
受け取るもの |
雇用保険被保険者証★ |
源泉徴収票★ |
年金手帳★ |
離職票(後日)★ |
会社に返却するもの
返却するものは、原則として退職手続きのときに持参もしくは郵送します。
ただ、会社によっては一部「不要」と言われる場合もあるかもしれませんので、その場合は事前に確認するか、持ち帰るかしましょう。
健康保険被保険者証
健康保険組合に会社が加入している場合は、健康保険証を返却する必要があります。
退職後すぐに転職する場合はすぐ新しい健康保険被保険者証を発行してもらえますが、そうでない場合は以下の選択肢から選ぶことになります。
- 国民健康保険に加入する
- 現在の健康保険組合で任意継続する
- 家族の被扶養者になる
1の場合は自分で住んでいる市区町村で手続きをしてください。
2の場合は退職手続き時に伝え、健康保険組合の任意継続書類を提出する必要があります。また、任意継続には期限がある場合もありますので注意しましょう。
3の場合は扶養者側での手続きが必要なので、扶養者に依頼してください。
いずれにしても、健康保険被保険者証が発行されるまでの期間は病院での窓口負担が10割になります。その後手続きをすることで7割は戻ってきますが、できれば突発的な病気で病院にかからないよう、健康に注意しましょう。
社員証など、社員であることを証明するもの
社員証や入館証など、元の会社の社員であることを証明するものは忘れずに返却しましょう。退職した社員が社内に入れてしまうとセキュリティ事故となってしまいます。もちろん会社の信用を損なう大問題になるため、会社側が一番気にするところです。必ず持参しましょう。
また、顧客先で使用した入館証なども、もちろん返却が必要です。こちらは人事担当ではなくプロジェクトの関係者に返却することになります。事前に確認しましょう。
名刺
社員証や入館証などと同じカテゴリではありますが、特に忘れがちなのが名刺です。対象となるのは自分の名刺だけではありません。顧客の名刺も対象となります。その顧客情報は会社の所有物とみなされる場合があります。
顧客情報を新しい職場で利用して営業活動を行った場合、最悪の場合前の会社から損害賠償を請求される可能性があります。裁判の末、棄却されたケースもありますが、このような裁判に応じるのは大変な労力がかかります。円満に退職したい場合は前職で得た情報は手放すのが無難です。
通勤定期券
通勤定期券を会社の費用で購入している場合は、返却の必要があります。
ただし、6ヶ月定期で5ヶ月経過するなど定期券の払い戻しが不可能な場合は返却不要と言われるケースもあります。
会社によってルールが異なりますので、事前に確認しておきましょう。
会社から支給された備品など
会社支給のパソコン(PC)やUSBメモリなどの備品、セキュリティカードや執務室のカギ、制服・作業着など仕事の時に指定された服を着ている場合は、返却の対象になります。業務データ消去の有無や消去方法、制服・作業服をクリーニングするかどうかは事前に相談しておいた方が無難です。
もちろん該当のものが無い場合は必要ありませんが、USBメモリなどは意識していないところで使っているケースがあるので注意してください。
また、業務データ関係では以下の項目も注意しましょう。
社内システムなどのパスワード
社内システム(クラウドサービスやサーバなど)のパスワードで、自分しか把握していないものがあった場合は、後々に問い合わせが来ると退職後の対応が必要となってしまうため必ず引き継いでおきましょう。
会社のメールアドレスで登録したサービス
忘れがちなのが、会社のメールアドレスで登録しているサービスです。
会社によっては退職後も一定期間は引継ぎ用としてメールアカウント自体は削除しない場合がありますし、削除した場合でも存在しないメールアドレスに通知などが送られてくるとメールサーバへの負荷になります。
後々に迷惑にならないよう、退会や個人メールアドレスに変更する等の対応をしておきましょう。
BYOD、シャドーITのデータ
会社の業務データに個人のデバイスからアクセスしている場合、パスワードが変更になればアクセスできなくなりますが、デバイスに過去のメールデータなどが残ることがあります。
BYOD(※1)であれば会社のルールに従ってデータを削除しましょう。
シャドーIT(※2)の場合は会社が把握していないので、アクセスできないようにしておかないと尚更問題になる可能性が高いです。
退職後に業務データにアクセスした場合、損害賠償を請求される恐れがあります。
「従業員の3分の1が、退職後も以前の職場の共有ファイルなどにアクセスできる」という調査結果がありましたが、セキュリティ意識が低い会社であればなおさら、疑いをかけられないよう自衛した方がいいのです。
※1:Bring Your Own Deviceの略。個人所有の機器を業務に使用すること。原則的に会社からの許可を取って運用しており、ルールが定まっているもの。
※2:BYODの無許可版。クラウドサービスの勝手登録・導入や会社のノートPCを個人の携帯テザリングや自宅でインターネットに接続する等が含まれる。本人が意識していないケース(Gmailに会社アカウントを設定する等)も少なくなく、社内の情報セキュリティに脆弱さを生むため管理者を悩ませている。
退職すると受け取るもの
返却するものは、基本的に「返却されないと会社が困るもの」になりますが、受け取るものは「受け取らないとその後自分が困るもの」になります。
受け取り忘れが無いように注意しましょう。
雇用保険被保険者証
雇用保険の加入者であることを証明する書類です。
転職する場合は転職先に提出する必要がありますので、必ず受け取りましょう。 入社時に返却されている場合がありますが、紛失していても焦らず「雇用保険被保険者番号」を会社から聞き出し、ハローワークで再発行してもらってください。
なお、後で説明する「離職票」には「雇用保険被保険者番号」が記載されていますので、離職票がある場合はそちらを使って再発行が可能です。
源泉徴収票
所得税を証明するための書類です。
転職する場合は、転職先で年末調整に使用しますので提出してください。年内に転職しない場合は、翌年の確定申告で使用します。
いずれにしても所得税申告のため必要な書類となります。発行後に紛失してしまった場合は、退職した会社に再発行の相談をしてください。
また、退職時の源泉徴収票について、更に詳しく知りたい場合は「プログラマーの転職に源泉徴収票は必要?必要な場面や紛失時の対応まで解説」の記事をご覧ください。
年金手帳
年金手帳を会社が保管している場合は、必ず受け取ってください。年金手帳を紛失した場合は、最寄りの年金事務所で再発行してもらってください。
転職する場合は基本的に転職先の厚生年金に入るため、転職先に提出しますが、そうでない場合は以下の選択肢があります。
1.国民年金に加入する
2.家族の被扶養者になる
1の場合は最寄りの年金事務所で手続きをしてください。
2の場合は扶養者側での手続きが必要なので、扶養者に依頼してください。
離職票(後日)
ハローワークに失業手当申請をするための証明書類です。被保険者でなくなった日の翌日から数えて10日以内に会社から交付されます。
もし14日間以上過ぎても届かない場合は、失業手当申請に影響が出ますので確認しましょう。ハローワークから催促してもらうことも可能ですが、転職先が決まっている場合は失業手当申請をしないので不要となります。
被扶養者になる場合はハローワークにて離職票に失業給付の受給権を放棄した証明をしてもらい、その後離職票のコピーを扶養者側の健康保険組合に提出してもらう必要がありますので、忘れないようにしましょう。
また、リモートワーク時の退職について、更に詳しく知りたい場合は「在宅勤務中の退職はどうすればいい?通常勤務と何が違うのか」の記事をご覧ください。
IT企業でありがちなこととは
ITエンジニアにとって面倒なのは、引き継ぎは完了しているのに、退職後に業務について質問されることではないでしょうか。
既に退職しているのに、「●●プロジェクトの◯◯はどうなっているのか?」「●●プロジェクトの◯◯は何故このような作りになっているのか?」などなど、よくあるケースです。
こういったやり取りも当初は仕方ないと思って対応していたが、延々と続くといつまで対応すればいいのか悩んでしまいます。
終わりが見えないようであれば、どこまでなら対応するのかを明確にし、意思をはっきりと伝えたほうがいいでしょう。
こういった状況にならないためにも、退職時のチェックリストは非常に重要です。
退職時には引き継ぎが終了したことを関係者で共有することを忘れないようにしましょう。
退職手続きを効率的にすすめスムーズな転職を実現しましょう
正直いえば退職をする会社の手続きなどはめんどうくさい、手続きなどで気を使いたくないと思っている人も多いでしょう。しかし、退職手続きで必要なものは、会社にとっても自分にとっても不足すると不都合なものになります。
会社側も重要な業務と認識しており早急に事務処理を行ってくれますが、一方で失業保険の申請や被扶養者手続きのように「自分が」早急に対応しなければ進まないものもたくさんあります。
「失業手当がなかなかもらえない……」「健康保険証が届かなくて病院に行きづらい……」 という問題は、自分の準備不足により対応が遅れたせいで起こることがあるのです。
退職後の手続きはできるだけ早急に済ませられるよう、事前に行くべき場所の確認や日程の調整を行っておきましょう。 退職後に受領する書類などはいつまでにもらえるのかを事前に確認しておくことも大切です。
退職時の手続きなどはチェックリストで管理し、退職時には全てクリアにしておけば、迷ったりすることなく転職後の業務に集中することができます。
IT業界の求人情報は専門的な条件やポイントも一般の総合媒体の求人情報とは違いがあるため、求人数が多い大手総合媒体で探していてもミスマッチが起こったり、確認したい情報が求人情報に見つからなかったりする可能性あります。
そのため、ITエンジニアであればIT業界特化の求人支援サービスを活用することをおすすめします。IT業界専門の転職支援サービス「Javaキャリ」は、自分で求人を探したい人や自身の経験をアピールしてスカウトを受けたいという人に向けた求人サイトサービスと、じっくりと自分に最適な求人を効率よくさがしたい、初めての転職で不安がある、転職活動をする時間が限られているといった人に向けた転職エージェントサービスの2つのサービスで、貴方の転職活動をサポートします。
会員登録やサービス内容は全て無料ですので、安心してご利用ください。求人サイト(ダイレクトリクルーティング)と転職エージェントのハイブリッドサービスを活用いただき、希望通りの転職を実現してください。